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ダブルデート

ブサメン時代、デートなどしたことがない俺がまさかのダブルデートの日がやってくるとは。

元々、俺と王女の許嫁の男のオーシャンは面識があったのもあるのだが――

偶然、ライちゃんが城へ訪問してきたときに、オーシャンが声をかけてきた。 

王女とオーシャンのデート。ティータイムに参加しないかと?


もちろん絶対断ろうと思った。


王女は最近ものすごく怖い目で睨むし、嫌われ者体質の俺は避けているのが容易に分かっていたから。


「王女様のネックレス、きれいですね」ライちゃんがほめた。


それは俺が王女にプレゼントしたものだった。

今日もつけている。

そんなにあのデザインが気に入っていたとは……。


「今度、僕もネックレス、プレゼントしますよ」許嫁が言った。


「ネックレスは1つで充分だ」 

あいかわらずそっけない王女。この王女のどこがいいのか? 許嫁。


「イヤリングとかはどうですか?」


「アクセサリーは基本興味ないので」


ツンデレにもほどがある。デレがないし。


「思い入れがあるネックレスなのですか?」


「まぁ……」そこは否定しない王女。


あのネックレスに 思い入れあるのか?

千円のネックレスだぞ。

しかも、俺があげたものだし。どう考えても思い入れないだろ。



さりげなく許嫁のオーシャンが聞いてきた。

「王女様ってどんな食べ物が好きなのかな? どんなに高級料理に誘ってもおいしいと言ったことがないから……」


「それなら中華じゃないかな?」

幻のラーメンをあんなに喜んで食べてくれた彼女だ。

絶対ラーメンしかない。


「幻のラーメンなら、確実ですよ」


「幻のラーメン? どんな高級中華料理店なんだい?」


俺は場所をこっそり教えた。高級ではないことも。

許嫁は恋のライバルではあったのだが、俺は戦うこともできないまま負けたのだ。

快く協力しよう。

一目惚れの相手を幸せにする男の応援をしようと決めたのだから。


「今夜、食事に行ってみませんか?」

婚約者は誘った。


「かまわないが」冷めた表情の王女。


二人は公用車で幻のラーメンへ向かう。

王女はそのことを知らない。サプライズだ。

絶対喜ぶだろう。あんなにおいしそうに食べていたのだ。


もちろん店内貸し切りの予約を取って。


「着きましたよ」

王女は 驚きの表情を隠せなかった。

そこは ダークと以前来た幻のラーメンだったのだから。

しかも、貸し切りという紙まで貼ってある。


「――あいつに聞いたのか?」


「はい。あなたがおいしいと思える店に行きたかったのです。

いつも つまらなそうにしていて……。

どんな高級料理店でもおいしいなんて言わないものだから、喜んでいただきたくて」


「帰る」

「なぜですか? 予約もして貸し切りですよ。ラーメンはお好きですよね?」

「とにかくあいつに一言、言ってやらねば気が済まぬ」

 

王女は幻のラーメンを食べることなく帰宅した。


怖い顔をした王女が俺の部屋にやってきた。

普通王女が戦士の部屋に来ることはないのだが……。

相当ご立腹なようで。

幸いライちゃんも帰っていて、不幸中の幸いで。




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