学校にて
その後、教室に俺が戻ると先ほどとは異なり普通に挨拶をしてくるやつも出てきた。
「おはよう。海川」
「ああ、おはよう」
ただ、減ったとは言えどもそれでも俺に向けられる奇異な目はどこか気まずくさせられるので俺は机の上に突っ伏して、授業が始まるまで待機していた。
授業の開始を告げるチャイムとともに担任が入ってきて授業が始まった。
俺は顔をあげると奴の席を一瞥し、いないことを確認すると安堵のため息をつき、授業に集中する姿勢に入った。
俺は授業が終わると教室を抜け出し、授業が始まる直前に教室に戻るということを繰り返し、視線から逃げていた。
そして昼休み。この時間も俺はとっとと教室から撤退しようとしたが、それはある女子に阻まれた。
「海川くん」
「ええっと何か用か?」
俺に話しかけてきたのはクラスメイト程度の認識しかない女子、石塚だった。
「あの、今日一緒に帰りませんか?」
彼女が顔を朱色に染めながら言ってきた言葉にとっととこの空間から消えたかった俺は深く考えずに適当にいいよと返答し、それだけ?と尋ね、うなずかれたのでさっさと教室を出た。
そのためその後、石塚のもとに女子が集まり何かを話していたことを俺が知る由もなかった...。
放課後になり、結局Nが学校に来なかったことで胸をなでおろしている俺のもとに何故か先ほどの女子、石塚以外にも五人ほどの女子が集まってきた。
俺が怪訝な目を俺を誘った石塚と他の五人に向けると彼女は俺に言ってきた。
「あの、ひなちゃん達も一緒に帰りたいって言ってるんだけど...いい?」
「別に俺は石塚がいいならいいけど」
「だって、ひなちゃん」
「ありがとう!海川くん」
その後、俺らは教室を出た。俺は彼女たちに尋ねた。
「家ってそういえばどっちのほう?」
「私たちは全員駅のほうだよ」
「おっけい。じゃあそっちのほう行くわ」
「わざわざごめんね...駅のほうじゃないってことは海川くんってここら辺に住んでるの?」
「ああ」
「ふーん。そうなんだ」
何故かその後女子でかたまりこそこそと何かを相談していたので、駅まで俺は無言で歩き続けることになった。
駅に着き、じゃあ俺はこれでと言い帰ろうとすると石塚が俺に少し気まずそうに尋ねてきた。
「あのさぁ...、海川くんって、もう小泉さんと別れたんだよね」
なんでその話を持ち出してくるんだと思いつつも俺は一応返答した。
「ああ、そうだけど」
「その...、それならさ、そのわたs」
「勇樹くん!」
石塚が恥ずかしげに俺に話している途中で俺がもう二度とは聞きたくない声が聴こえてきた。
俺はそちらを見てめまいを感じながら呟いた。
「小泉...」
なろうのパスワード忘れてログイン出来なくなって更新できてませんでした。
申し訳ありません。