表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏切りと恋の協奏曲  作者: 磯城(シキ)
69/73

後夜祭明け

通常回です。

復讐を終わらせた翌日の日曜日、俺は家でベッドにくるまっていた。

とにかく疲れていたので、寝ていたかった。

今までの反省を活かし、しっかりスマホの電源も切り、一日中ゴロゴロしていた。



翌日、後夜祭明けで初めての学校に行く日がきた。


学校に流石に奴は来てはいないだろうが、どうせ質問攻めにされたり、変な目で見られたりするんだろうな…なんて考えて気が重くなっていたが、もう終わったことなんだからと自分を言い聞かせて亜美に見送られながら家を出た。


俺が学校に行くと、門を入る前からチラチラと色んな人から見られ、覚悟はしていたがやはりあまり気分のいいものではなかった。


そして、俺が教室に入るとそれまで少し騒がしかった教室が一気にシーンと静まり返った。

俺はその空気の中、俺の席まで行き、荷物を置いた。


すると、ちょうどそのタイミングを見計らったかのように、相馬が教室にやってきた。

そして、俺のところに来て話しかけてきてくれた。


 「おはよう、勇樹」

 「ああ、おはよう相馬」


この会話で教室の空気は一気に変わった。


相馬がいい感じに先陣を切ってくれたので、周りはその空気を読み、なるべく後夜祭の出来事には触れないようにいつも通りに振る舞うのが正解だと察したからだ。


そこからは若干気まずさが漂っていたが、表面上はいつも通りの教室になった。


ただ、それでも少し視線が気になったので、相馬を誘い、教室から出て、屋上に向かった。


 「改めてお疲れ様」

 「ああ」

 「それであの後どうだった?」

 「どうだったって?」

 「いや、昨日何してたとか、あとなんか進展があったとか…」

 「昨日は何もしてない。あと、進展か…」


俺は少し考え込んだ。進展と言っていいのかは分からないが亜美との話をすることにした。


 「まぁ、亜美の正体がヤッホー掲示板の相談相手だったていうのと実は亜美が元々中山と優花が付き合ってるのを知ってたぐらいかな…」

 「ちょっと待って。色々言いたいことはあるけど、まずヤッホー掲示板のこと初耳なんだけど」

 「ああ、そういえば話してなかったけ。俺がNTRれたと気付いた日にヤッホー掲示板に書き込んだんだよ。その時の相談相手がたまたま亜美だったんだ」

 「…どんな確率を引いたらそうなるんだ?」

 「さぁ?」


俺もそれは分からなかった。


 「それとあともう一つ、妹さんが元々浮気を知ってたってとこだけど…」

 「ああ、元々知ってたのに付き合ってたって謝られたんだ」

 「…意味が分からん…、さっき聞きそびれたけど、なんでそもそも味方みたいになってるんだ?NTRれてるのを知ってて、その寝取った張本人と付き合ってるのに」

 「血が繋がってる兄妹だし、味方って言われたり、ところどころで俺のことを助けてくれたりしてくれたからかな。ちゃんと謝罪ももらったし。あとは結局ヤッホー掲示板の俺の相談相手だったてことが大きかったかな…」


俺はそこで一息吐き、続きを話した。


 「それにあとでその人の、亜美の回答履歴を見たんだ、そしたら俺に対してしか回答をしてなかった。そこからもしかしたら俺だと何故か最初から分かってて助けた、最初から俺のことを選んでたって思えたんだ」

 「…まぁ、そう思うならいいけどさ…」


相馬は少し不満そうな声でそう漏らしたが、そこでちょうど予鈴を告げるチャイムが鳴った。


 「戻るか」

 「ああ、戻ろう」


そう言って俺たちはそれぞれの教室に戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ