分からない
俺は一瞬後を尾けるか迷ってしまった。
菜月とNの二人が何をしようとも自由なのにも関わらず。
「はっ、俺は何をしようとしているんだ?」
俺はそう呟き、首を軽く振り、奴らの歩いて行った方とは逆の方向に歩き出し、遠回りをして家に帰った。
俺が家に着き、中に入るとどこかに出かけようとしている妹、亜美と出くわした。
「あっ、お兄ちゃんおかえり」
「…ああ、ただいま」
「…」
亜美は無言で俺の顔を覗き込んでくる。
少し居心地の悪い俺は顔を背けながら亜美に言う。
「どうした?」
「いや、ちょっと変だなぁと、中間試験終わったのに」
「…」
流石にこんなに兄妹をやっていればバレるか。
「話してよ、お兄ちゃん」
「…いや、でもな…」
「後悔するかもよ」
後悔か…。
俺はその言葉に特に今は弱かった。
散々、もう二度もやっているのだ。
二の舞、いや、三度目の正直か…。
俺は意を決し軽く首を回し、今日の帰りの出来事について話す。
「…っていう感じなんだけど…、なんで俺がこんな行動を取ろうとしたのか分からなくて…」
「…お兄ちゃん…、やっちゃいけないことって知ってる?」
「?」
どういうことだ?何がやっちゃいけないことなんだ?
「いや、なんでもないや。忘れて、ただ復讐するんでしょ。それなら私情を挟まないで」
「ああ、それはもちろんそうなんだけど…、結局なんで俺は…」
「行ってきます」
「えっ、ちょっ」
亜美はそう言って家から出て行ってしまう。
玄関に取り残された俺はどこかモヤモヤしたまま、仕方なく自分の部屋に入った。
「ああ、分かんねぇ」
俺は蛍光灯を眺めながらそう呟き、今までのことを頭の中で整理していた。
すると、俺は突然閃いてしまった。
「聞いてみるか…」
俺はヤッホー掲示板を開き、今日の出来事を打ち込み、ダメ元で尋ねてみる。恋愛強者という名の俺の翼に。
打ち込み、スマホをベッドに置き、ボォっとしているとピロンと着信音が鳴る。
スマホを見ると写っていたのは、俺の翼からの返信を告げるものだった…。
中間試験終わったので更新速度元に戻します。