呻吟
その後の三日は今日について考えているうちにあっという間に流れさり、デート当日。
俺は今日に備えて、三日間自然に話せるようにあどばいすをもらっていた。そして、秘策?も授かっていた。
そして、行く準備を整えた。
「ふー、後は当たって砕けろだ。」
玄関まで行き、靴を履くと妹がやってくる。
「いってらっしゃい。頑張ってね。」
「?ああ。行ってきます。」
妹には何も話していないのだが…。
まぁ、いいやと思い出かける。
シンギン遊園地に俺の予定通り約束の時間よりかなり早く着いた。
前はこの時間も待ち遠しかったが、今回は複雑な心境であった。
しばらく待ち、約束の時間の5分前になると優花はやってきた。
「おはよう、ごめんね。ちょっと待った?」
「いいや、全然。」
いつものデートの時と同じ会話を俺らはする。
「最初どれ乗る?」
「ううん…。スプラッキュマウンテンか…コーヒーカップか…」
「いいね。じゃあ、先にスピラッキュマウンテンに乗ろう。」
「うん。」
僕らはまだ短い列に並んで乗る。
「きゃあああああ。」
「…。」
ジェットコースターでは俺は無言になるタイプである。
優花はいつも通り叫んでいる。
俺がかつて望んでいた光景だ。
彼女と一緒にジェットコースターに乗り、
「面白かったね。」
「ああ。次は何に乗る?」
「すぐ近くだし、ゴーカートに乗ろう♪」
「いいね。」
ゴーカートは風を切り、気持ちよかった。
「あはははは。面白かったね。」
「うん。次は何に乗りたい?」
「勇樹君が決めていいよ。さっきまで私が選ばせてもらってたし。」
「そう?じゃあ、お化け屋敷に行こう。」
「えぇ、怖いよ…。」
「俺がいるから大丈夫。」
「そうだね。じゃあ行こう!」
「うん。」
お化け屋敷の中に入ると、彼女は手を繋いできた。
「きゃああ!」
「大丈夫?」
「やっぱり怖いよ…。」
「大丈夫だって。」
しばらく歩くと、
「きゃああああ。」
彼女が抱きついてくる。
「壁が、壁が変だったの。」
「?」
「きゃあああああ!誰私の足を掴んでるのは?」
「走るぞ。」
手を引っ張り、暗闇の中を駆ける。
「怖かったー。」
「そうか?そんな怖くなかったけどな。」
「もう、勇樹君。」
こづいてくる。
笑顔が可愛かった。
もう俺は抑えきれなかった。
俺は泣き始める。
「ん?どうしたの、勇樹君?」
「…何でもない。」
「何でもなくないでしょ。」
「…。」
無言で俺は優花に抱きつく。
「っひゃ!どうしたの?」
「…。」
俺はどうしようもない男だ。
裏切られておきながら、彼女をまだ愛している。
彼女の笑顔を、声を、温かさを、彼女の全てを俺は求めている。
彼女が…欲しい。俺は彼女を手に入れたい。
まずい。誰か彼を助けてください。
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