弱点
没案ですが、前々話(15話)の続きとなります。
本日最後の授業の終了を知らせる鐘が鳴る。
「終わったー。疲れたー。」
なんて俺が言いながら体を伸ばしていると相馬がやってくる。
「じゃあ。行こう。」
「ああ。」
Nが何か言いたそうにしていたが、気付かない振りをしてパッパと教室を出る。
歩きながら適当な話をする。
「そういえばさぁ、好きな人いんの?」
「@#*¥*-#-¥#-@22-#*;-%*43@156-〜6(446¥」
やばい。相馬が壊れた。
「大丈夫か?」
「3--¥##-2-¥%*¥(531-3##*%@#*;〜;-*¥%@7」
「おーい。おーい。戻ってこーい。」
「はっ。僕は一体?」
「俺が好きな人の話を持ち出したら急にバグり始めたんだよ。」
「@#*¥*-#-@22(以下略)」
面白い。弱点が分かった。
「止めてくれ。その話は。あと、つらくないのか?その話をしてて…。」
「別に、大丈夫さ。」
全然大丈夫ではないが、その気持ちは押し隠す。
「まぁ、いいけどな。肩の力抜けよ。」
「?」
どういうことだ。見抜かれたのか?
「ありがとな。」
小さくどういたしましてと聴こえた気がするが気のせいだろう。
そんなくだらない話をしていると家に着いた。
俺が立ち止まると相馬が呟く。
「ここかぁ。」
「ああ。行くぞ。」
「えっ!ちょい待…」
「ただいま。…ん、入らないのか?」
「いや、入るけど、お邪魔します。」
「…。お兄ちゃん、その人誰?」
「ああ、こいつは…」
「はじめまして、塩谷相馬と申します。いつも、お兄さんにはお世話になっています。」
「ん、上がって。」
「ちょっ、自己紹介くらいしろよ。」
「いいからいいから。」
「ほら、塩谷君もそう言ってるでしょ。後でするから。入っちゃって。」
と言い逃げるように亜美はリビングの方に行く。あいつちょっと顔が赤かったなぁ、風邪でも引いてんのかななんて思いながら相馬に謝っておく。
「ごめんな。妹が。」
「いや、良いんだけど、何で妹さんと普通に接せられるんだ?裏切られたんじゃ?」
何故か声をひそめているので俺も小さな声で答える。
「家族だからな。話せば分かると信じてるんだ。亜美が生まれてからずっと一緒に育ってきたんだ。」
「そうか…。」
「今日の授業中にずっと考えてたんだ。俺が何をしたいのか。」
「それで決まったのか?」
「いや。だが、俺は奴から奪う。奪われた分は屈辱山盛りで返す。」
「…そうか。」
「お兄ちゃん、塩谷君、何してるの?玄関で戯れてないではやくー。」
「行くか。」
「ああ、行こう。」
そして俺らは決戦の地、リビングに向かった。
「座って座って。お菓子と飲み物置いとくね。じゃあ、ごゆっくり。」
「ちょっと待ってくれ。…。相馬から話があるって。」
「私に?」
顔がやはり赤くなっている。
相馬が尋ねる。
「ちょっと時間もらってもいい?」
アドバイス待ってます。
星といいねを押してくださると嬉しいです。