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裏切りと恋の協奏曲  作者: 磯城(シキ)
12/73

難しい

今回は11話の妹から見たお話です。

ー妹サイドー


 「今日中山と一緒にいた?」


見られてたんですね。どうしたら良いでしょうか。ここで嘘をつく必要はあるが、あまり嘘を吐かないべきだと判断。とりあえず認めておいて様子を見ましょう。ついでに一つ爆弾も投げ込んでおきましょう。


 「ああうん、いたよ。」

 「見つかっちゃったなら話すけど、実は私は健汰と付き合ってるの。」


呆然としてますね。やはり、驚きだったのでしょうか。


 「これで終わり?」

 「いや。」

 「?」


面倒臭いな。


 「実はその中山のことで話があるんだけど…。」

 「何で私に?」

 「いや、亜美にも関係あることだから。」

 「ふうん。」


何か健汰にあったのでしょうか?まさか…?


 「あのな、落ち着いて聞けよ。」

 「…。」

 

これはまずいかもしれない。


 「中山は、お前の好きな人は浮気をしている。それも四人とだ。」

 「…。」


知られてますね。 


 「ちょっと待って。聞き間違いじゃなければ、四人と浮気…、つまり四股をしていると聞こえたんだけど…。間違いだよね…。」


動揺したふりをして考える。

どうするべきか。


 「本当だ。」

 「…。」

 「それで一つ頼みたいことがある。」

 「…。」

 「奴と別れてくれないか?俺は奴の所業を公衆の面前で洗いざらい話すつもりだ。その時にお前について話したくはない。」


兄の言わんとする事は分かる。だが、素直に頷くのも尻の軽い女だと思われそう。

そこで、彼氏を愛する女を演じる。


 「…。話さなきゃいいじゃん。…。だって、親友なんじゃないの?」

 「俺は奴を許さない。」

 「…。四人って誰?」

 「そこまで話さなきゃダメか。」

 「話して。話してくれたら別れるから。」


これは兄を苦しめることになるだろう。だが、私は兄が知っている四人を知りたかった。

 

 「仕方ないな。誰にも話すなよ。」

 「…。」

 「まず、亜美、菜月、和田希、…そして俺の彼女…小泉優花だ…。」


なるほどその四人ですか…。希さん以外全員お兄ちゃんと密接な関わりがありますね。これは相当傷ついていますね。それでは、私は私の責務を全うしますか。


 「…。それでも…。ごめんね。お兄ちゃん。」

 「?」

 「私は健汰のことを好きなの!たまらないくらい!彼が四股をしているのは悔しいし、悲しいよ。それでも、私は…。」

 「ちょっとストップ。俺から言わせてもらうぞ。」


ん?


 「亜美、お前が奴からどう思われているか知っているか?」

 「…。」


切り札ですかね。


 「お前は奴からしたらただの遊びなんだぞ!」

 「知ってるよ!」

 「!」


ついつい反射で言ってしまいましたね。悪い癖が…。

 

 「それだったら余計にだよ。何で別れない。浮気、ダメ、絶対じゃなかったのかよ。」

 「確かにこの恋をするまでの私だったらそうだったかもしれない。でも、私は恋をして変わったの。」

 「何でだよ。」

 「ごめんね。お兄ちゃん。」


ここまで言ってしまったからには取り返しがつかないですね。

私は全てを知っていました。それにもかかわらず、愛するお兄ちゃんに伝えなかった裏切り者です。でも、私にはやらなきゃいけないことがある。

さて、どうしますかね。もし、私がお兄ちゃんが真実を知っていることを彼に話した場合はお兄ちゃんが告発する以前に彼にお兄ちゃんの計画を悟られてしまいますね。これは四人の名前を教えてもらう際にした約束を反故することとなり、私を信頼して話してくれたお兄ちゃんの気持ちを裏切ってしまいますね。

ここはまだ黙っておきましょう。


 「…。それでも俺は奴を許さないからな!俺の彼女を寝取った罪は大きい。奴だけでも突き落とす。たとえ一生かかったとしても。」

 「…。そう。これで終わり?」

 「ああ。」


嫌われちゃったかな。まあ、悲しいけれど関係ない。私はお兄ちゃんが孤独になったとしても、絶対に支えます。

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