惑いの惑い
俺は一体何をしたらいいのであろうか。
優花には確かに裏切られたが、一度は本気で愛し、今も愛しているかもしれない女性である。なによりも、彼女を奪った男が何をいって優花を堕としたのかは知る余地がない。まあ、あのチャラ男ならお遊び半分で本気で付き合っている訳ではないであろう。現に、浮気をする男の半分以上が性欲を満たすなどが目的であるお遊び半分であり、あいつは元々欲求が強かった。中学時代に友人の彼女を奪おうとしていたくらいである。俺が止めて、事なき事を得たかもしれたと思っていたが、本当はどうであったのであろうか。Nが彼女をどう思っているのか彼女は知っているのだろうか?Nが四股をしているのを彼女は知っているのだろうか?この疑念を都合よく解釈すると、彼女も被害者となるのだが…。
様々な疑念が湧いてくる。永遠に出ることの出来ない迷路に迷い込みそうだ。いや、もう既に迷い込んでいるのかもしれない。
「はぁ、とりあえず先に妹についてだな。どこまで話すか…。いや、話さないという手もあるな…。」
考え出すと止まらない。考えがまとまる前に家に着きそうなので、公園により、ベンチに座る。このまま、家に帰ると妹と対面したとき、何を仕出かすかわかったもんじゃない。
ベンチに座るも何もいい案が浮かばない。仕方がないので、奥の手を使う。俺の翼「恋愛強者」さんに聞くことにした。
今までの出来事を綴り、どうすればいいかの旨をしたため、送ろうとした。だが、それはかなわなかった。スマホに抵抗された。投稿!のボタンを押そうとしても勝手にある画面にスワイプされて押せなかったのである。
いらつきながら画面を見て俺はハッとした。
『仲間を信じる。』
『家族に甘えて』
この言葉が目に映ったからである。
以前送られてきたメールに俺はまたしても救われた。そして立ち上がり、空を見上げると一つの輝く星が目に映った。
それから顔に風を受けながら家に着く。
「ただいま。」
「おかえり。お兄ちゃん♪」
機嫌がかなり良い。これなら話を聞いてくれそうだ。
「そうだ、ちょっといいか?」
「何?」
「夜ご飯を食べながら話すから。」
「ふーん。いいよ。」
とりあえず、第一関門は突破だ。妹を誘えた。
次の第二関門は妹に話し信じてもらうこと。
そして最後の関門は妹にNと別れてもらい、奴の浮気の事実を俺が知っていることを隠すことだ。
どう話すかはもう決めた。予定通りに行くかどうかは分からないがあとは全て神に委ねられた。相馬流だと、デスティニーだが。
いざ、勝負!
ものすごーく短いです。11話頑張るんで許してください。
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ー次回に続くー