夢よ覚めてくれ、マジで
主人公、海川勇樹はまあまあのイケメン、175cm位の身長を持っていて、バスケ部と音楽部に所属している。成績も上位20%に入るくらいであり、中学校時代から同級生の小泉優花と付き合っている。現在は通っている学校は違うものの土日でデートに行くような普通のカップルだ。
「おい勇樹、起きろよ。」
今、俺に話しかけてきた奴が俺の小学校時代からの親友の中山健汰だ。こいつはバスケ部の中でもかなりうまくて、身長も俺より高い。顔は言うまでもないが、メチャクチャイケメンだ。だから、本当にモテる。バレンタインに、チョコを36個貰った伝説を持つ男だ。
こいつももちろんリア充で、学年で1番美人と言われる彼女と付き合っている。
「ん。はっ、次の授業何?」
「いつまで、夢の世界にいるんだ。もう、とっくのとうに授業は終わって、放課後だぞ。」
「えっ、あぁ、マジか。じゃあ、部活行くか。」
「悪りぃ、今日用事あるから、先輩に伝えておいてくれ。」
「りょ。伝えておくわ。じゃ、また明日。」
「また明日。」
「野中先輩、どうもです。今日も、健汰休みです。」
「またかあいつ、まぁいいや。了解。」
ーバスケ部終了ー
「あぁ、やっと終わった。疲れたわ。」
家に帰っている途中に見てしまったんだ。一度は目を疑った。でも、その事実は何度見ても変わらなかった。
そう、俺の彼女である小泉優花と親友の中山健汰が手を繋いでイチャイチャしていた。そう彼らは浮気をしていたんだ。
そのあと、どうやって家に帰ったかなんて覚えていない。気づいたら、ベッドの上で泣いていた。
「そうだ、夢だ!」
頬をつねる。痛いだけで何も起きない…。
「くそ、どうすりゃいいんだよ。見なければよかった…。」
その夜、何度も吐いた。
ー次の日ー
「今日が土曜で助かった。学校に行かなくて済む…」
ピロン スマホに通知がくる
「あぁ、通知切ってなかったか。めんどくせ。」
次の瞬間絶句し、怒りと悲壮に包まれる。
小泉優花からデートのお誘いのメールが来た。
「今日の午後空いてる?空いてたら、遊ばない?」
「くそ、浮気しといて何だよ!」
拳を壁に叩きつける。
「どうすればいいんだ。あぁ。」
悩みに悩んだ末、『体調崩しているからいけない。ごめん。』と送った。これが精一杯の答えであった。返信が来てから欠陥に気づいた。
「大丈夫?お大事にね。」
「あぁ、大丈夫。ありがとう。」
何とか、返信したものの、はらわたが煮えくり返るくらいの怒りに包まれた。
「お前らのせいなのによ。ふざけんなよ!」
今度は頭を壁に打ち付けた。痛いがどうでもいい。これからどうするか考えなくては。
「どうするどうする。どうすりゃいいんだよ!」
何も案が浮かばない。
「仕方ない、ヤッホー質問掲示板にでもあげるか。」
『信じていた彼女が親友とできていました。NTRされたのかもしれないのですが、これから僕はどうすればいいのでしょう。』
ネットにそうあげて、ベッドに寝そべってまた泣いた。
「ゆうきー、朝ご飯食べないの。」
「ごめん。体調悪いし、お腹空いてない。」
「昨日の夜もじゃないの。一応部屋の前に置いておくわよ。
「ん。ありがとう。」
「熱あるの?」
「うん。38.5°ある。」
嘘をついた。たぶんないであろうし。まだ、彼女に浮気をされたのは黙っておくつもりであった。
「あぁ、そう。ごめんね。仕事あるから面倒みれないの。頭痛いのか何なのか知らないけど、あまりにも苦しかったら、薬飲むなり、病院いくなりしなさいよ。」
「わかった、お母さん。行ってらっしゃい。」
母が家を出たら、掃除機の音もしなくなり、静かになった。
ピロン ヤッホー質問掲示板に上げた質問に返信がくる。
『その事実を知っているということを彼女さんと親友は知っているのですか?それによって、対応は違います。とりあえず、厳しいと思いますが、いつも通り振る舞うのが、1番です。そして、決定的な証拠を掴むのがいいかと。
まぁ後は、こちら側からも質問させていただきます。
1つ目:その親友に彼女はいますか?いたなら、美人かどうかも。
2つ目:その彼女のことがまだ好きですか?
よろしくお願いします。』
すぐに返信を送る。心の拠り所が欲しかった。
『返信ありがとうございます。まだ、僕が浮気の場面を、見たことを気づいていないと思います。親友に彼女はいます。学年で、1番の美人です。何で、浮気したのかと思うくらいの美人です。あと、彼女のことはまだ諦めきれていないです。』
主人公の苗字の読みはかいかわです。
ー次回に続くー