第1章 転生
ザクッ。僕は仕事から帰る途中、通り魔に襲われた…鋭い刃物の音が僕の体を突き刺した…
通り魔は僕の鞄を漁って財布を取って逃げていった…
漁られた鞄からスマホを取り出して救急車呼ばなきゃ…あぁ…鞄があんなに遠くにある…お腹からはマルーン色の血がたくさん、ドクドクと流れ出ている…僕は死ぬのかな?…その瞬間僕は意識を手放した…
…くんくん。血じゃない…清潔な匂いがする…左の人差し指にはパルスオキシメーターらしき物が装着されている…たぶん病院かな?刺された所を見るのは怖いけど救急車呼んでくれた人にお礼しなきゃ…
少しずつ目を開けた… どうやら個室の病室のようだ…
あぁ…ここが民医連の病院じゃなかったら個室代取られるんだろうなぁ…僕はそんなにお金持ってないのに…
僕は右を向いてみた…そこには洗面台があった…あぁこれはたぶん最近できた新しい医療センターの病室かな?でも僕の町からは遠かったよなぁ…あれだけ血が出ててたのによく助かったな…
右側の手すりのあたりにはナースコールが掛けてあった。僕は押してみた…
…懐かしい。僕が社会人になった頃によく聞いていたメヌエットのコール音が聞こえてきた… ガチャ…「はーい」音楽はすぐに切れ、女性の看護師だろうか?ナースコールの持ち手に付いてるスピーカーから返事が返ってきた…
返事があってからすぐに若い女性の看護師が僕の部屋のドアをノックする…「高橋さん失礼します」
僕は「は、はい、」としか返せなかった…
「あ、高橋さんおはようございます、ここがどこか分かりますか?」
「堺県立総合医療センターですよね?」僕の記憶を辿っていって出した答えを言った。
「そうです。どこか痛い所とかありますか?」看護師は質問する。
「僕は確か通り魔に襲われて…」
「高橋さん?」
??違うのか??
「高橋さんはお家のリビングで倒れててここに搬送されて来たんですよ」
「だから背中やお腹が痛くないんだ。」
「ちょっと記憶の混乱が見える…今何年か分かりますか?」
「2021年でしたよね?」
その返答をすると看護師さんがPHSを取り出して緊急医の先生を読んだ…「まずい、たぶんもう何年も寝てたのだろうか?それでトンチンカンな返事をしてしまったんだ…」
すぐに女の先生が来た黒髪ショートの先生が、
先生は「高橋さんの担当の石田です。高橋さん今は2681年ですよ」「ご家族さん読んで、ちょっと説明して」看護師はその指示に従いPHSで連絡を取り始めた…
石田先生は「高橋凛君、君はもう2年も寝ていたからねぇ…こうして植物状態から戻っただけでもすごいことなんですよ。焦らなくていいから何か思い出せる事とかは?」
「確かあれは会社から帰る時です。午後8時くらいだったかな、自宅にもうすぐ着くって所で通り魔にあったんです。」先生はその話を真剣に聞いてくれた
その時看護師さんがご家族のさん後30分くらいで来るそうです。 「高橋さん良かったですね、家族さん来るそうですよ。」
…どんな家族だろう…?父は僕が幼い頃にトラックの運転手をしてて過労で居眠り運転して事故を起こしてしまったから母親だけかな。…心配かけただろうな。
先生は言う「家族さん来るまで少しテラスにでも出ますか?今日はちょっと寒いですがいい天気ですよ」
テラスに出て外の景色を見ていた…今はお昼くらいなのだろう太陽が高い位置に登っている… 「2年ぶりのお外の空気はどうですか?」と先生。
…「2年ぶりかどうかはわからないけどちょっと寒い…」「じゃあ部屋戻りましょう…」
テラスに行ってから10分もしないくらいに家族がやってきたと看護師さんが伝えにきた…「もうご家族さん来られますからね」
ぼーっとしてると若くてロングヘアーのお姉さんがやって来た…「お母さんじゃなくてお姉さん?」
「もー本当に忘れちゃったの?あなたの母よ!凛!ひさしぶりね!」なかなか元気が良いようだ…その女性は胡桃と名乗った… その後から3人女の子がやって来た
「凛!ひさしぶり!」3人は口を揃えて言う…「僕の兄妹?」「そうよ!どれだけ心配したと思ってるの!」
背の高い1番上の兄妹だと思われるお姉さんが言った「凛の3歳上のお姉ちゃん美咲だよ!凛!思い出した!?」
「あっ、お姉ちゃんずるいあやのが先に話したかったのに!!!」あやのと名乗った僕と同い年くらいの女の子が文句を言う。「ちょっと!お姉ちゃん達!なつきもお話したかったのに!!!」
僕はなんとかその喧嘩を止めた…僕にこんなかわいい兄弟が出来たなんて✨
胡桃さんが説明する。「上から順にこの子達は3歳上の美咲、双子の彩乃、年子の夏希ね、みんなあなたの事をずっと心配して来たのよ。」
そうだっんだ…と僕
胡桃さんは先生と話してくるといって病室を後にした…残った兄妹とお話しした。「いい?おにーちゃんはこの世界では珍しい男の子なんだよ!!!間違っても変な女と付き合ったらダメなんだからね!」と夏希
えっ…これってまさか…まさか…異世界転生物の奴やった…!?
「そうよ、凛男性は100人に1人しかいないんだからね…痴女とかにあったらお姉ちゃんそいつぶっ殺しに行くよ?」
「お姉ちゃん…」
「そうですか…わかりました…」…病室の外から胡桃さんと先生が戻ってきた…
明日退院にしますとの事…
僕は聞いた「胡桃さん…僕って今、何歳なんですか?」
…沈黙が広がった…
その思い空気から口を開いたのは美咲お姉ちゃんだった…「凛…今は凛は高校生くらいの歳だが…中学生の頃に植物状態になったからなぁ…ねぇ。母さん。」「凛、学校行きたいの?まぁあなたは男性だから学校行かなくてもお給料は貰えるの…だからあんまり学校には行かせたくないんだけどね…」
「お母さん…行っちゃダメ?」
胡桃さんは半分諦めたような顔をして「凛が行きたいなら行きましょ…高校に2年生の転入生として…ちょうどあなたと同い年の女の子は高校2年だしね…」
「お母さん…受験とかないの?転入だから難しいんだよね?」
「あなたは男性だから試験とか無いのよ。だから明日からでも通う事は出来る…」
「じゃあ制服とか出来てから行く事にする、良いよね?お母さん、お姉ちゃん?」
家族は顔を見合わせて頷いた…
1週間後上牧高校という高校に転入生として入学することになった。ソフトボール部が強い高校だ。なんで僕がこの高校を選んだのかと言うと制服がかっこいいから生まれ変わる前にアニメで見たカッコいい悪役の衣装にそっくりな制服だったのでここにした…
…10月25日午前11時上牧高校会議室…
「男の子が我が校に入学なんて我々を揶揄っているのではないのですか?」…おばさんの校長先生が言う…
「どうしてですか?僕の家からは近くて通いやすい環境にもありますよ?」
校長先生は首を振ってこう言った「男の子が我が校に入学なんてなったら我が校の生徒は全員あなたを襲いますよ…我が校はいわゆるヤンキー高校でして…高橋さんには申し訳ないですが辞退していただき…」
「ここに決めました…初めてここの制服を見た時からこの高校に通いたいと思いました。ヤンキー高校でも僕は大丈夫です!」
校長先生は口を開けて「男の子が…我が校に…でも男の子がそこまで言うなら我々はどうしようもない…拒否は出来ないですからね…わかりました高橋凛さん、転入を認めましょう…上牧高校にようこそ…」
決まった✨…よっしゃ!
しかしここで校長先生は衝撃的な一言を言う…「高橋さん、君スラックスがカッコいいって言ってましたがあれは女子の制服ですよ…?」
あぇ…?
「!?…じゃあ男子はスカートなんですか?」
「高橋さん残念ながらそう言う事だ…」
でもここのスカートの制服もスタイリッシュでかっこいいのでいいことにした…これで晴れて高校生…✨




