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18/20

18 え?

いろいろ書き散らしているとふとしたことで書かなくなるのです。読んでくださる方々にはごめんなさい。

 警所に到着し、なにか立派な部屋へと通された。


 部屋には身分な高そうな年配の騎士様、ハルシオン様、バーシル様がいて、警士長と思われる男性。祝福教会の老巫女様。そして、リゼン女史に侍女さんがいた。


 ……なにかとってもまずい状況とわかるわね……。


「クレーティア嬢、呼び出してすまない。さあ、座ってくれ」


 警士長さんと思われる男性に勧められてソファーに座った。


 わたしの付き添いか、右にリゼン女史。左に巫女様が腰を降ろした。


「クレーティア嬢。実は王都の各地で突如として眠ってしまった者が多数、いや、それでは言い表せないほどの者が眠りについてしまったのだ」


 えーと、それがわたしになんの関係が? 


 なにがなんだかわからずリゼン女史に目を向けた。


「あなたの祝福ではないかと訊いているのですよ」


 わ、わたしの祝福? が、え? なぜ? はい?


「クレーティア嬢。あなたが祝福を使ったとき、賊を眠れと言ったと聞きました。それは本当ですか?」


 戸惑っているわたしにハルシオン様が優しく問いかけてくれた。


「え、あ、はい。そんなことを言ったような……」


 あのときの記憶ははっきりしないけど、そんなことを言ったような記憶はある。ナナオとの記憶のほうが大きかったからね。


「巫女様。そんなことがありえるのだろうか? 威力が大きすぎると思うのだが」


 警士長さんと思われる男性が老巫女様に尋ねた。


「祝福によってはあると思います。治癒の祝福を持つ者は一度に何十人もの負傷者を一瞬に治癒させたことがありますので」


 その話、わたしも聞いたことがある。聖女ミリアーニ様のことだ。


「一日一回の魔法か。不遇な祝福かと思ったが、なかなか厄介な祝福だな」


「祝福は神よりその者に与えられたもの。厄介なものではありません」


「あ、いや、すまない。口が滑った。神よ、愚かなわたしをお許しください」


 神が身近にあるだけに神への不敬は許されない。警士長でも下手なことを口にしたらクビになるでしょうね。そう言う人、結構いるってお父様が言ってたわ。


「巫女様。一日一回の魔法の祝福を持つ者はクレーティア嬢だけなのですか?」


 場の空気が悪くなったのを払拭するためにハルシオン様が口を開いた。


「はい。クレーティア様だけです」


「では、クレーティア嬢の祝福と見ていいか……」


 と、全員の目がわたしに向けられた。な、なんなのよ?


「クレーティア嬢」


 年配の騎士様がわたしの名を呼んだ。


「君が賊を眠らせた。それはよいのだが、賊と言う括りで願ったからか、王都中の賊が眠ってしまい、未だに目を覚まさないのだ」


 ん? 王都中? 賊? え? はい? 


「ゲイズ様。名乗りもしなければ事情も説明はクレーティア嬢も戸惑うばかりですよ」


 はい。戸惑うばかりです。


「そ、そうか? では、お前に任せる」


「クレーティア嬢、申し訳ありません。副団長は女性の扱いがあまりよろしくないのでね」


「あ、いえ。こちらこそ理解力がなくて申し訳ありません」


「あんなことがあったのです。気持ちが揺らぐのは当然のこと。配慮ができなかったこちらの失態です」


 まさに騎士の鑑のようなハルシオン様。きっとおもてになるでしょうね。なんて思えたら心が落ち着いた。


「いえ、わたしが未熟なだけです。私塾の名を汚して情けない限りです」


 リゼン女史が横にいながら冷静になれず考えもしなかった。私塾での教えを活かせなかったわたしが未熟なだけだ。


「さすがミオネート伯爵の生徒は頼もしい限りです」


 そうよ。ミオネート伯爵様に恥をかかせるわけにはいかない。しゃんとしなさい、わたし!


「では、話を戻すとして、クレーティア嬢。目を覚まさせることは可能かね?」


 できる、と言えばできると思う。けど、目覚めろでいいのかしら?


「えーと、目覚める魔法はよくわかりませんが、やってみます」


「あ、まだやらなくてよい。可能なら問題ないのだ」


 やろうとしたら年配の騎士様に止められた。どうしてです?


「今、警士や騎士を総動員して王都中で目覚めぬ者を探っている。それが終わってから頼みたいのだ」


「わかりました。あ、でも、不注意で祝福を使ってしまうときがあるので連絡がいただければ使わないようにします」


 不注意と言うか無意識に使ってしまうときがある。教えていただけるのなら意識しておきます。


「そのことだが、安全のためにミオネート伯爵のところで過ごしてもらいたい」


 ん? 安全のため? わたし、なにか危険に晒されてるの?


「いや、念のためだよ。そんな危険はない。リゼン女史。お願いする」


「はい。お任せください。クレーティアさんはミオネート伯爵家が責任を持って預かります」


 なにやらわたしを置き去りにしてなにかが決まってしまいました。


「クレーティアさん。ご家族にはこちらから伝えておきます。このまま向かいますね」


 わたしに拒否できないこの状況。諦めは肝心と「はい」と答えた。


 このことは決まっていたようで、流れるように王都を出てミオネート伯爵領へと旅立ってしまった。


 ………………。


 …………。


 ……。


 え?


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― 新着の感想 ―
[一言] 初めて見たけど・・・。 アレ? 何かヤバいレベルで書き方が上達してますねW 何か別の作者さんのを見てるのかと思いました。
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