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16.アルネニオ公原5

千川寄り三人称

 あの小僧どもが、あの女より強いだと?


「……」


 千川は謎の女の放った言葉が引っ掛かっていた。


 あの女は化物みたいに強かった。だが、その後ろにいた見慣れないペアはそれよりも強い。


 それはつまり……


「あっ……千ちゃん……」


「おっ……」


 女に殴られて失神していた代川が目覚め、少々、間の抜けた声で千川を呼ぶ。


「なぁ……代川……戦いから降りるか……」


「えっ!?」


 どんなに足掻いてもあいつ等には勝てない。


 50Fへの到達条件は、勝利数を重ねることで勝率の条件が緩和される仕組みになっていた。


 最多勝を積み上げた。

 それはつまり勝率の条件を満たすことができなかったからだ。


 千川の心は完全に折れていた。


「あっ……いや、何でも……」


 千川は自分の弱気な発言に、代川は幻滅すると思った。


 このちょっと女言葉の男はいつも慕ってくれていた。それは常に強い自分であったから。


 だが……


「いいよ……」


「えっ!?」


「もう戦うのやめようよ……私達、頑張ったわよ……」


 代川は千川の言葉を受け入れる。


「よし……」


 これでいいんだ……

 千川がそう自分に言い聞かせる。


「えー、残念だなぁ……最多勝ペアのお二人がそんな残念なこと言うなんて」


「なっ……!?」


 突然、誰かが背後から話しかけてくる。


「お前らは……!?」


「いけませんねぇ、バイタリティの喪失は……ゲームには積極的に参加しないと……」


「なっ!?」


 突然、現れた人物はネットリと微笑み、腕を二人に向ける。


「千ちゃん! 速く……きゃぁあああああああ!!」


「しろか……ぐぁああああああああ!」


 二つのステルス・アーマーがアルネニオ公原の地に落ちる。


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【作者の別作品】

本作よりダークな雰囲気の作品ですがおすすめです。
<部長!そのスキルをいただきます!>
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