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くろうさ  作者: 雪麗。
6/9

お出かけ (1)

くろうさが言っていた通りで、今日は天気が良い。

車の免許は持っているけれど、体が鈍るし店まで近いので歩く事にした。


家を出て間もなく一台の車が私に近付いて停まった。

「よっ!伊那!」

「玲!」

近所に住む、幼馴染みとも言える新城 玲(しんじょう れい)だった。

小学生の頃は玲の妹と私の弟も交え、よく互いの家を行き来したりして一緒に遊んだ仲だった。通学する学校が違った高校生の頃からめっきり会わなくなり、社会人になってからはこんな風にたまに会う事があった。


「久しぶりだな!元気か?」

「うん。玲も元気にしてた?」

「おー、もっちろん!伊那、どこ行くの?」

「ちょっと買い物に」

「俺、今からセンダモールに行くけど一緒に行くか?帰りも送ってやるぞ」

「あーじゃあお願いするわ」

「おっけー」


買い物は近くのスーパーで済ませる予定だったけれど、センダモールは大型のショッピングセンターで色んな店舗が入っている。

行きたい店もあったので玲の申し出を有り難く受けた。


「まさか伊那が歩いてるなんてな」

「私も玲に声かけられるなんて思わなかった。半年ぶりぐらい?」

「だな。そう言えば…うちの母さんから聞いたけど。伊那、仕事辞めたんだって?」

「うん、まぁ…ね」

「働いてると色々あるよなー。()()()空いてるぞ?また落ち着いたら考えてみて」

「あ…うん。ありがとう」


互いの近況を話しているうちにセンダモールに着いた。

それぞれ買い物をして、用が済めば携帯に連絡を入れあう事になった。



やけに静かだったくろうさが気になり、人気のない通路の端で鞄を壁際にし声をかけてみる。

「くろうさ?」

「ん!」

「静かにしててよ」

「ん!」

やけに力が入った返事だったけれど、静かにしてくれているうちにと店舗の並ぶ賑やかな方へと足を向けた。

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