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14杯目

「はい、これ6番テーブルの……」


「はい、ありがとうございます!」


俺は作った料理をカウンターに乗せて、花子ちゃんに行き先を伝える。すると、元気な声と、きらきらした笑顔が俺の方へと向けられ、そして……。


「はい、ナポリタンお待たせしました。」


俺の手を離れた料理は、お客様が待つテーブルへと運ばれていった。


これが当たり前の……本来の喫茶店だよなぁ……。キッチンと、フロアー、それぞれが機能することで、店内はもちろんお客様へと向ける意識が、余裕を持ってできる。いやぁ、本当にこんな日が来るなんて、頑張ってきて良かったなぁ。


「店長?どうかされました?」


カウンターに戻ってきた花子ちゃんが、不思議そうに俺に声をかけてくる。


「ん?いやぁ、花子ちゃんの有り難さをしみじみと思っていたところ。いつもありがとね。」


そう言って、俺なりのとびっきりの笑顔を花子ちゃんに向けたら……なぜか、視線を外された……ううん?おじさんの笑顔は気持ち悪いのか……?


納得いかなくて店内に顔を向けると、常連のおっちゃん達が、何だかニヤニヤした顔でこっちを見てる……何なんだ?全く。



「おーい、花子ちゃーん」


「はーい」


常連のおじさまたちは、いつの間にか私の事を『花子ちゃん』と呼ぶようになった。原因は、……うん、店長がそう呼ぶからなんだよね。


「お待たせしました、ご注文ですか?」


「あー、そうだな、俺はコーヒーのお代わりを」

「あ、俺はカフェオレで」


「はい、コーヒーに、カフェオレですね。どちらもホットでよろしかったですか?」


返事の代わりに満面の笑みで頷かれたので、では、とオーダーをキッチンに伝えに行く。その背中に向けて、何やらひそひそと声がするのは気のせい……にしておこう。うん、何も聞こえなかった!


「なあ、やっぱり店長と花子ちゃんさぁ」

「ばか、もし間違ってたら花子ちゃん辞めちゃうかもしれないだろ」

「えー、それは困るなぁ。花子ちゃんがいないなら、ここ来る理由無くなるよ」

「……それ、絶対、花子ちゃんに聞かれるなよ。おじさんに好かれたって嬉しくないだろ?」

「おいおい、そんなこと言うなよー」

「和くんだったら、花子ちゃんにお似合いなんだけどなぁ」

「だよなぁ……。」


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