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友恵サイド

 その日、友恵は都内のホテルに来ていた。

ここに、とある大物俳優が宿泊している、とのことである。

 

 昨日、友恵はペンギンらがイルカを仲間にしたという報告を受けた。

部屋で鼻くそをほじりながらドラマを見ていた友恵は、マジで! と驚く。


(まさか、ほんとにイルカを仲間にしちまうとは……)


 友恵は慌てて起き上がり、机に向かった。

えんぴつを鼻と口の間に挟み、うんうん唸る。

どうやって、沈没船を引き上げるか。

気づくと、ノートには見ないで書いたドラえ〇ん、ミッ〇ーが描かれていた。


(やっべ、こんなことしてる場合じゃねえ!)


 足らない知恵を絞り、どうにか一つのアンサーに辿り着く。


(だが、これを実行するには金がいる。 ……スポンサーが必要だ)


 そして、都内に観光に来ていた知り合いから偶然、大物俳優、ジョニー・〇ップを見かけたとの情報を入手した。


(パイレー〇・オブ・カリビアンの主人公なら、喜んで出資してくれるハズだ!)







 

「……一体、どこにいやがる」


 ラインで友達と連絡を取るも、何号室にいるかまでは分からない。

廊下をウロウロしていると、やたらと人が多いことに気がついた。


(……マイクを持った奴までいる。 まさか、今から取材がはじまんのか?)


 その時だった。

自分の横を、一人の個性的な女性がすれ違う。

派手な柄のシャツに、サロンで焼いた黒い肌。

王〇のブランチでよく見る、リリコである。


(やっぱり、取材に来てんのか……)


 友恵は、リリコの後を着けた。

本番前にメイクの確認だろうか。

トイレの扉を押し、中へと入ると、鏡の前に立った。

さり気なく横に並ぶと、声をかける。


「なあ、これから取材なんだろ?」


「……」


「私もあいつに用があんだわ。 取材、代わろーぜ?」


 すると、リリコの口元がつり上がった。


「冗談はよして」


「……だよな」


 友恵は諦めたフリをして、リリコの後ろを横切ろうとした。

次の瞬間、素早くヘッドロックをキメる。


「悪いな、手段選んでる場合じゃねぇんだ」


「……」


 友恵のみぞおちに、リリコの肘がめり込む。


「がはっ……」


「インタビューをしたいなら、私を倒してからにして頂戴」


 



  

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