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おいらんセミナー95
「そうじゃのう。散り行く花は花吹雪ではないが、それがどんな毒に満ちた植物の花でも美しい姿を垣間見せるものならば、その美しさは毒々しくも格別のものであり、特に魑魅魍魎共の最期の悪あがきは、それは見事な花吹雪であると、わしは思うわけじゃ」と風俗研究家は言った。
風俗研究家がしたり顔をして皮肉を言う。
「そうじゃのう。散り行く花は花吹雪ではないが、それがどんな毒に満ちた植物の花でも美しい姿を垣間見せるものならば、その美しさは毒々しくも格別のものであり、特に魑魅魍魎共の最期の悪あがきは、それは見事な花吹雪であると、わしは思うわけじゃ」
菜摘が頷き答える。
「毒々しく散り行く花でも、その悪あがきしない潔さが伝われば、私はその美しさを心の美と認め、愛でるしかありません」
七瀬が甲高い声で喚いた。
「ふん、しゃらくさいわ。そんな詭弁聞きたく無いと私は言っているんだよ。阿婆擦れが!」




