おいらんセミナー88
「その意見に私は真っ向反対します。悪が悪を滅ぼす、その構図が最後の粛正であっても、私はその勝利する悪が、我が国の悪であると信じたい。さもなければ到底やり切れません」と菜摘は言った。
ホスト亭主が言う。
「彼等の我が国に対する大衆操作は既に完成域にあり、この教科書記載を惹起として、最後の粛正が成され、我が国は完全に北の掌中に収まると、おしゃるのですか?」
風俗研究家直線的にホスト亭主を見詰め答える。
「その通りじゃ。悪が善をくらい、より大きな悪の華となり、百花繚乱と咲き乱れ、この国を覆い尽くすのがわしには見えるのじゃ」
ホスト亭主が頷き答える。
「成る程。過去に行われた悪の華に依る粛正の嵐の総仕上げという事ですか?」
風俗研究家が言った。
「そうじゃ。完璧なる悪の華の権化こそが北の我が国植民地化なのじゃ。その為の粛正の発端こそが、正に教科書に載る、その事なのじゃとわしは思う。そして北たる悪は完全無欠になるのじゃ」
菜摘が反論する。
「その意見に私は真っ向反対します。悪が悪を滅ぼす、その構図が最後の粛正であっても、私はその勝利する悪が、我が国の悪であると信じたい。さもなければ到底やり切れません」