表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/145

おいらんセミナー72

「いえ、私は世の中が全て悪徳塗れであるとは断じて措定していません。私は北やその一味に冒された悪徳栄える世の中を、このセミナーは修正及び是正する機能を、世の中から逆に期待されているのではないかと、そう申し上げている次第なのです」と講師は言った。

風俗研究家が露骨に顔をしかめ言った。





「しかし憶測や風評、傍証などで、こんな重要な事を決めて、教科書に載せるなど前代未聞、聞いた試しが無いわ。そんな出鱈目が通用する世の中なのか、今の世の中は」





講師が冷静な口調で言う。





「それは貪欲強欲だけの出鱈目な世の中だからこそ、このようなセミナーが開催され、それに対する反動として、必然的にそれを是正する動きが生まれるのではありませんか?」




風俗研究家がせせら笑い言った。





「学者君、あんたは世の中を全て貪欲強欲悪徳の巣窟と見做し、それに対するこのセミナーを愛ある是正行為と定義付けるのかね?」




講師が答える。





「いえ、私は世の中が全て悪徳塗れであるとは断じて措定していません。私は北やその一味に冒された悪徳栄える世の中を、このセミナーは修正及び是正する機能を、世の中から期待されているのではないかと、そう申し上げている次第なのです」




風俗研究家が怪訝な顔付きをして言った。





「風評や憶測、傍証で固めたでっちあげた内容など、誰も信用などしないわ。そう思わんかね、学者君?」





講師が言下に言って退ける。





「それは受け取る読み手の問題でしょう。私はそう思います」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ