おいらんセミナー66
「ならば北が研究を進め製造、その矛先を我が国にも向けるであろう核弾頭に、貴女が目指すであろう研究が流用されている可能性があるという事ですか?」と講師は帽子を被った女子大生に尋ねた。
帽子を被った女子大生が言った。
「私はある物理工学系技術職の研究スペシャリストを目指していて、その巨大なる権益利潤を生み出すジャンルが、北及び癒着官僚機構に依って流出搾取されている可能性がある事が我慢出来ません。確かに技術職ですから、人並み以上の生活は営めますが、でも私達が心血注いだ研究成果を略奪流出搾取される事は我慢ならないわけです」
講師が尋ねる。
「差し支えなければどんな物理系技術職なのかを言って貰えませんか」
帽子を被った女子大生が答える。
「核分裂とか核融合に関する研究員を目指しています」
講師が驚き眼を剥いてから言った。
「ならば北が研究を進め製造、その矛先を我が国にも向けるであろう核弾頭に貴女が目指すであろう研究が流用されている可能性があるという事ですか?」
帽子を被った女子大生が青ざめた面持ちで頷き言った。
「そうです。あくまでも可能性論の範疇なのですが…」