おいらんセミナー63
「私は美大に通う明日太陽に出会えなくても、明後日太陽に出会えればいいかなと考えている個人主義のオタク日和見主義大学生ですから、でも戦争だけは嫌なわけです。はっきりと言って、それしかありません」と黒いスーツの女子大生は言った。
風俗研究家が言う。
「あんたは何かね、我が国の官僚機構が全て北と癒着して、我が国をとことん蝕んでいるから、その分戦争は起きず、平和が保たれているから、粛正の嵐には反対なのかね?」
黒いスーツの女子大生が答える。
「そうですね。どんなに薄汚なく北と官僚機構が癒着していようとも、それがどんなに底無し沼のタール状の地獄でも、戦争が起きて滅びるよりは増しだと私は思っているからです。世の中が薄汚なくなればなる程に粛正の嵐も空高く遠ざかり、戦争の臭いがなくなれば、私達国民は幸せ一杯に騙され続け、平和ぼけしていられるし、不当な税金や詐欺、覚醒剤等に手を染めなければ、例えばどんなに世の中がシャブ漬けになっていようが、脳天気に騙され続けていられるし、政府高官やエリート官僚が北と癒着したって、そんなの私には関係無いから、私は粛正の嵐に反対です。そんなところかな。御免なさい、つまらない意見で」
風俗研究家が愉快そうに一声笑い言った。
「あんたはノンポリの事なかれ主義の徒然なわけだ?」
黒いスーツの女子大生が答える。
「私は美大に通う明日太陽に出会えなくても、明後日太陽に出会えればいいかなと考えている個人主義のオタク日和見主義大学生ですから、でも戦争だけは嫌なわけです。はっきりと言って、それしかありません」