おいらんセミナー60
「私の狙いが例えば粛正から外れたとしても、私はあくまでも公明正大、的確正確を期して教科書に記載を考えているだけです」と講師は言った。
風俗研究家がいみじくも言った。
「以前にも天下り官僚などがメディアの槍玉に上がり、粛正されそうになったが、結局逆に粛正しようとした者が粛正されて幕を閉じたわけじゃ。それ程この国の官僚機構は国家百年の計に照らし出しても必要かくべからずのものであり、この事実を鑑みても粛正など無駄、直ぐにその文脈も潰えてしまうのが落ちじゃぞ。この意味は分かるのう、学者さんよ?」
講師が怯む事なく答える。
「改めて言えば、私は失敗改革のてつを踏むつもりは毛頭ありません。私がしようとしている事は事実を公明正大に教科書に載せる事であり、その是非は未来を担う子供達が鋭意判断する事でしょう。だから国家規模の膿だしの粛正も未来世代にそれを任せる所存でいますから、記載する文章は公明正大、簡潔に分かり易くしたいというのが私の狙いなわけです」
間を置き風俗研究家が言った。
「ならばその教科書に載せる事項は粛正とは言えまい。違うかのう?」
講師が答える。
「私の狙いが例えば粛正から外れたとしても、私はあくまでも公明正大、的確正確を期して教科書に記載を考えているだけです」