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おいらんセミナー59
「もう一度尋ねる。あんたは総理なのかね、さもなければ一介の学者なのかね、一体どちらなんだ?」と風俗研究家は言った。
風俗研究家が講師を鋭い目付きで睨みつけてから言った。
「あんたが政府筋の者ならば、わしの言葉の意味は随意分かるだろう。この難局を乗り越える為には、粛正の嵐など絶対に無用なのを?」
講師がさらりとした口調で答える。
「この難局を乗り越える為に粛正が必要と判断すれば、粛正します。それだけの話しです」
風俗研究家があざとく鷹揚に笑い言った。
「もう一度尋ねる。あんたは総理なのかね、さもなければ一介の学者なのかね、一体どちらなんだ?」
講師が口調を変えずに言った。
「一介の学者です」