おいらんセミナー55
「わしは大いになると思う。再三述べるが大同団結、国威発揚には北と黒い組織の悪辣性を糾弾し、教科書に記載する事こそ急務なのじゃ。それなくして亡国救済の道は無いではないか」と風俗研究家は言った。
風俗研究家が眉をひそめ講師に対して異論を唱える。
「このセミナーの趣旨は言わば北や非合法な組織を糾し、その大衆操作性を糾弾するのが目的ならば、ここで司直警察官僚機構の事を論い、糾すのは趣旨に反しているのではないのかね?」
すかさず講師の代わりにホスト亭主が意見を差し挟む。
「自分もそう思います。ここですべきはあくまでも北と黒い組織の悪辣性公式糾弾であり、我が国の官僚機構を論い糾弾する事ではないと明解に思います」
帽子を被った女子大生が反論する。
「でもそれでは片手落ちでバランスを欠き、公式な歴史に残る教科書記載にはなりませんよね。私はそう思いますが?」
風俗研究家が反論する。
「わしは大いになると思う。再三述べるが大同団結、国威発揚には北と黒い組織の悪辣性を糾弾し、教科書に記載する事こそ急務なのじゃ。それなくして亡国救済の道は無いではないか」
ホスト亭主が恭しく頷き口を添える。
「無条件にその意見を認めるのは悔しいのですが、自分もその趣旨には賛成です」