おいらんセミナー38
自動車税の場合、例えば単なる名義変更をした場合は自動車税の追徴金は来ない筈なのに、公の書式と言うか公文書の形式で支払い命令が来るのですよ」と菜摘が言った。
ホスト亭主が尋ねる。
「ならばこのセミナーさ北の特殊工作員が、我が国の公部分にどれだけ食い込んでいるかの、証拠を突き付けた決め手となるわけですね?」
菜摘が答える。
「そうですね。おれおれ詐欺と言うか巧妙無比な詐欺とか、覚醒剤利潤の侵食度合いは、鋭意公の中枢部まで蝕んでいる事を証拠を突き付けて、はっきりと白日の本に晒せば、北の乗っ取りの事実が暴露され、それは亡国奪還の強烈なる弾劾革命となりますね」
ホスト亭主が眉をひそめ尋ねる。
「しかしおれおれ詐欺やパチンコ打ち子詐欺では、公の中枢に食い込んでいる証拠とはなりませんよね?」
菜摘が頷き答える。
「自動車税の振り込み詐欺はどうでしょうか」
「なんですか。その自動車税の振り込み詐欺と言うのは?」
菜摘が眼を細め深呼吸してから答える。
「普通自動車税と言うのは、年度の始めに査定され金額が決まり、支払い命令が来ますよね。それが例えば途中でその車が一度廃車され譲渡されれば、新しい持ち主が一年の内の残った自動車税を追徴され支払う形は法で定められているのですが、例えば単なる名義変更をした場合は自動車税の追徴金は来ない筈なのに、公の書式と言うか公文書の形式で支払い命令が来るのです。皆、廃車を出さないと追徴金は支払い義務が無い事を知らないから、公文書だし額も小さいので、何の疑いなく支払ってしまうのですよ。この事実は明らかに公に非合法な詐欺組織が食い込んでいる証拠になりますよね」
「それは事実ですか?!」
菜摘が明解に答える。
「事実です」