おいらんセミナー34
「体調管理にはリズムが大事なのだけれども、我々の仕事はそのリズムを損なう仕事ですから、体調崩すのは、ある程度やむを得ない感もありますよね…」とホスト亭主は言った。
同病類相憐れむの感じで菜摘がホスト亭主を労う。
「昼夜逆転の生活をしていて、どうですか仕事の方に支障は無いですか?」
ホスト亭主が遠い目付きをしてから、おもむろに答える。
「それは慣れもありますから、表面上は支障は来たしてはいませんが、やはり人間という代物は夜は寝て、昼間活動するように出来ているので、何かしらボディーブローのように少しずつ寿命を削いでいるから、健康とは言えないと思います」
菜摘がしきりに頷き答える。
「私も事務所に属し半分はタレントのような生活を送っているのですが、これはもう昼も夜もなく目茶苦茶な生活なので、体調はもうぼろぼろですね。実際問題」
ホスト亭主が眩しいものを見るような目付きをしてから答える。
「体調管理にはリズムが大事なのだけれども、我々の仕事はそのリズムを損なう仕事ですから、体調崩すのは、ある程度やむを得ない感もありますよね…」
「そうですね。体調管理よりも仕事優先ですから」