おいらんセミナー3
「老若男女全般です。そしてもう一つ付け加えれば障害者もその対象となっているでしょう」とホスト亭主は言った。
ホスト亭主が激しい情念の発露を内に秘めた感じで言う。
「私は貴方を老人として差別なんか金輪際していません。と言うか、オレオレ詐欺を筆頭に様々な詐欺の手口が世間には広く浸透伝染しており、それはあらゆる階層年齢層の者から広く浅く金を奪取する技術的方便ならば、それは正しく金を奪取する側を金銭的記号として捉らえていて、それは全般的な意味でも正に大衆操作の意味合い範疇であり、それ以外の何者でもないという事だと思いますが、どうでしょうか?」
風俗研究家がしたり顔をしてから尋ねる。
「あらゆる階層年齢層とは、どんな範疇なのかね、ホスト君?」
ホスト亭主が即答する。
「老若男女全般です。そしてもう一つ付け加えれば障害者もその対象となっているでしょう」
愉快千万と言った呈で風俗研究家が高笑いしてから言った。
「ほう、障害者からも金を奪取する詐欺はあるとあんたは言いたいのかね、ホスト君?」
ホスト亭主が恭しく頷き答える。
「そうです」
風俗研究家が再度高笑いしてから鷹揚な風体で尋ねる。
「老人はおろか、女子供、果ては障害者からも詐欺犯は金を奪取していると、あんたは言いたいわけだ?」
ホスト亭主が至って冷静な面持ちで頷き答える。
「その通りです」
風俗研究家が嘲笑い言った。
「笑止千万な、詐欺の大衆操作が障害者まで蝕んでおると、あんはは言いたいのか?」
ホスト亭主が答える。
「金を奪取出来るならば彼等は死人からも奪取するでしょう」