145/145

おいらんセミナー144

「それではこの結論をこのセミナーの最終判断として、その旨その趣旨を現代社会、倫理社会の教科書に記載するべく鋭意答申を図りましょう」と講師が全員を慈しむように微笑み言った。

菜摘がホスト亭主に対する想いを託すように涙ぐみ同意発言する。

「この革命は無血革命ではなく、予想を遥かに超えた人々の血が流され、相当数の罪無き人達が犠牲になったわけです。その犠牲を無駄にはせず、とにかく悪しき社会システムを刷新して、差別偏見蔑視構造意識の形骸化無為化を図り、原点に回帰し、本来日本人が持っていた心の美を奪還するべく、教科書記載を惹起バネにして根強く革命を継続断行して行くべきだと私は思います」

菜摘の意見に触発されたように大学生四人が一斉にエールを贈るべく、声を揃えて賛同した。

「そうだ、そうだ！」

「道はそれしか無い！」

「菜摘さんの意見に私も全面的に賛成します！」

「私も同じです！」

それに気圧されるように風俗研究家が恭しく頷き賛同の意を示した後、七瀬がおもむろに言った。

「そうだね、犠牲者を弔う意味でもここは賛成するしか無いわね」

その意見を聞いた直後講師が全員を慈しむように微笑み言った。

「それではこの結論をこのセミナーの最終判断として、その旨その趣旨を現代社会、倫理社会の教科書に記載するべく鋭意答申図りましょう」