おいらんセミナー130
水沢会長と別れ、自宅マンションの前でタクシーから降り立った菜摘に暗がりから、刃物を持った暴漢が襲い掛かかった。
水沢会長と別れ、自宅マンションの前でタクシーから降り立った菜摘に暗がりから、刃物を持った暴漢が襲い掛かかった。
咄嗟に菜摘と一緒にタクシーに同乗していた屈強のボディーガードが眼にも止まらぬ速さで、合気道の技を駆使し暴漢を薙ぎ倒して、当て身を当てて気絶させ、そのままタクシーに乗せて連れ去って行った。
そして他のボディーガードに警護されながら、マンションのエントランスに入った菜摘が水沢会長に震えながら電話連絡を入れる。
「か、会長、私今しがた刃物を持った暴漢に襲われましたが、ボディーガードの人に護られて難を逃れました。会長、私以外のセミナーに参加している人達は私同様に手堅く護られているのでしょうか?」
水沢会長が電話の向こうで冷静な口調で答える。
「万端抜かりなく全員に警備陣を張り付けているから心配ない、菜摘」
菜摘がホスト亭主を脳裏に思い浮かべながら念を押す。
「会長、絶対にこのメンバー全員を護り通して下さい。よろしくお願いいたします」
水沢会長が答える。
「分かった。心配するな、菜摘」