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おいらんセミナー129
「北の植民地支配、隷属に甘んじるよりは、国民は心の美、亡国奪還を期して戦地に赴き、名誉ある戦死を選択するべきだとわしは思う」と水沢会長は言った。
菜摘が尋ねる。
「それでどうするのですか。亡国奪還、心の美奪還を期して粛正淘汰は継続断行するのですか?」
水沢会長が再度憂いを湛え遠くを見詰める眼差しをしてから答える。
「ここまで来たら、乗りかかった船、後戻りは出来まいて。菜摘よ」
菜摘が眼を潤ませ涙ぐみ尋ねる。
「大勢の国民が戦死する事になるのですよ。それでも継続断行するのですか?」
水沢会長が血走った目付きをして鋭意言い切る。
「北の植民地支配、隷属に甘んじるよりは、国民は心の美、亡国奪還を期して戦地に赴き、名誉ある戦死を選択するべきだとわしは思う」