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おいらんセミナー

当初ウイルスの弟を予定していましたが私が出会った驚愕すべき生々しい詐欺の手口を披露しながら、命を懸けて再び差別偏見蔑視構造意識に挑戦状を叩き付けるべく、描きます。よろしくお願いしますm(__)m

差別偏見蔑視現状社会に於ける詐欺の手口とその操作性と題するセミナーにオブザーバーとして菜摘は召喚された。





召喚された他のメンバーのメンツを見ると、まず敵対する勢力の最右翼たる老獪なる風俗研究家。そして菜摘の宿敵たる七瀬。後菜摘側が鋭意指名したホスト亭主。それに第三者的立場の大学生男女四人がアトランダムに選定召喚された。




議事進行役の全髪白髪頭の専任講師が口火を切る。





「司直の徹底した取り締まりの網の目を潜って実際問題世間にはオレオレ詐欺を始めとして詐欺が横行しているわけです。この詐欺は端的に言って差別偏見蔑視構造意識が形作っている事は紛れも無い事実であり、その社会に及ぼす虚実併せた波及性を、ここに集まったオブザーバーの方々に多角度的に論じ合って貰い、その大衆操作の社会的是非を世に問い質し、学校の道徳の教科書に記載するべく、闊達なる議論熱弁の程よろしくお願いします」





風俗研究家が菜摘を横目で睨みつけつつ挙手してから口火を切った。





「まずわしはこのセミナーの趣旨が全く理解出来ないわけじゃ。はっきりと言えばオレオレ詐欺は金というか現金奪取の悪しき最大方便であり、その言わば金儲けが何故差別偏見蔑視構造意識と絡み噛み合っているのかが分からないと言う事じゃ。違うかのう?」





ホスト亭主が挙手し反論する。





「全く恣意的でテーマをぼかすナンセンスな意見だと思います。何故ならば、オレオレ詐欺の合目的である金奪取の方便というか技術こそが正に大衆操作の賜物であり、それ無くしては詐欺自体が絵空事、事実無根となってしまい。その辺りの事情を鑑みて、明らかに分かり切っているのにテーマをぼかし白を切る全くナンセンスな陳述だと自分は断固思います」




風俗研究家がホスト亭主を蔑むように斜視してから言った。





「あんたみたいなホスト風情に何が分かる。ふざけた物言いはするんじゃない。若造め」




長身の男子大学生が挙手してから風俗研究家を指差し詰る。





「最初からそんな差別用語は止めて下さい!」





七瀬がにんまりとしてから風俗研究家を擁護する意見を述べ立てる。





「何が差別用語なの。ホストをホストと言って何処が悪いのさ!」





すかさずシックなスーツを纏った菜摘が挙手してから言った。





「その発言も明らかに差別用語だと思います!」





純白の派手なスーツを纏った七瀬が鼻で菜摘をせせら笑い反論する。





「ならば尋ねるがオレオレ詐欺の実践の何処が差別用語なのさ。言ってみなさいよ!」





ホスト亭主が答える。




「オレオレ詐欺は痴呆老人を主に狙った現金詐欺であり、それこそが老人差別の代表格であると自分は思います」





風俗研究家が反論する。





「老人を皆痴呆だと見做すその論法こそが差別なのではないのかね、ホスト君よ」





でっぷりとしたもう一人の男子大学生が熱く反論する。





「異議あり。それって差別用語ですよね!」

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