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第4話 勇者候補の教官になって《エイダ目線》

 青っぽい外見のエイダさん目線です。

 私はエイダ・ギレンラ。新任を抜け出したばかりの、まだ未熟な教官です。


 そんな私ですが、今年度、なんと勇者候補の集まるクラスの補佐をすることになったのです! 正確には、クラスの教官の補佐をする教官、ですが。


 勇者候補が集められた理由は、魔王が復活するという話があがっているからです。

 その根拠は私は知りません。そういう大きな話は全て、国の偉い方々が情報規制を敷いているからです。国王様や大臣様でなければ、真実を知ることができません。


 魔王が復活すると、今は大人しくしている魔族の者共が暴れだすと言い伝えられています。そうしたら人間は滅ぼされてしまうと……。

 そんなの絶対に、許せません!


 魔王を倒すため、国王様は『ある道具』を使って勇者の素質がある人を見つけ出しました。何でも、素質のある人が近くにいると光輝くのだとか。

 素質があると判明した人の家族にはお金を払って、本人を学園に行かせることを許可させたそうです。

 家族に反対する人は、今のところ誰もいないと聞きます。払われるお金が大金であることもあるのでしょうけど、身内に勇者候補が出ることはとても光栄なことですから。


 勇者候補は既に5人。全員10代です。まだ勇者候補は探している最中と聞いています。もっと生徒が増えるのだと思うと、少し嬉しいです。



 今は4月。新年度が始まる月です。つい先日に勇者候補を受け持つと聞いて、まだ驚いています。


 学園長は、勇者候補の担当は、正式には『ノア・アーカイヤ』という方がするのだと仰っていました。

 どんな人なのでしょう。学園長が言うには、多忙な方なので当日からしか来られないとのことでしたが……きっと、素晴らしい方なのでしょうね!

 だって、勇者候補の担当教官なのですから!


 でも学園については全く知識がないとのことですので、私が精一杯支えて差し上げるのです!

 ……学園の知識がないって、どういうことなのか不思議ですが。

 この国では、12歳から学園に通うのが普通なので……。貧しい家の子供は残念ながら、通えませんが。でも、近くの修道院でそれなりのことは学べるはずなのです。


 いえいえ、細かいことは気にしません! 学園長があれほど太鼓判を押された方なのですから!




 4月7日の朝、学園長が『ノア教官は門の前にいるよ~』と仰られたので、迎えに行くことにしました。


 そこには黒い髪と黒い瞳の、若い男性がいました。スーツが少し着崩されています。とても端整な顔立ちな方で、驚きました。

 私が近付くと柔和に笑って、物腰柔らかく対応してくれます。


 いい人そうだなぁ、格好いいなぁ、と思っていました。

 そう、思って()()()()

 分からないことがあれば何でも、と言った後の返事によって、印象は最悪なものへと変わってしまいました。


「貴女のスリーサイズを!」


「教えるわけないでしょっ!!」


 思わず敬語を忘れて叫んでしまいました。でも、しょうがないですよね? まさか、質問を受け付けたら『スリーサイズ!』なんて言われるとか、想像できませんものね!?


 断ったらノア教官は不貞腐れたような表情をしましたが、すぐに少しにやけました。この笑み……変態の笑みですッ! 前に貴族の旦那様がメイドを見ながら浮かべていた笑顔です! それと同じのですッ!


「今絶対に変なこと考えてますね!? セクハラで訴えますよ!?」


「こほん……セクハラではありません。『分からないこと』を聞いただけです!」


 そりゃスリーサイズを見ただけで分かるなんて、不気味ですしね!?

 何なのですか、この人は! ただの変態じゃないですか! 誰ですか、『素晴らしい方なのでしょうね』とか思った人は!


 あぁ……こんな人と一緒に仕事をするなんて、凄く嫌です。嫌なことされそうです!

 何故学園長はこんな人を採用したのでしょう……! いえ、推薦したのでしたね。学園長自ら!!


 推薦したくなるほどの素晴らしい所があるのでしょうか……? 例えそうだとしても、許容範囲外のセクハラをされたら訴えますけどね!


 外見だけはいいのですがね! きっとその外見でたくさんの女性を虜にしてきたとか言う過去があるのでしょうけど、私はそんなことありませんから! この男運の無さには自信があるんです!

 私は彼氏なんて欲しくありませんし。一生独身で生きてやるんです! 生徒のために人生を使うんですぅううっ!

 お読みいただきありがとうございますm(__)m


 この1話の登場人物

 エイダ・ギレンラ 青っぽい。セクハラは嫌い。勇者候補の教官。


 ノア・アーカイヤ 主人公。黒髪黒目。エイダ曰く、端整な顔立ちをしている。

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