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二話 始まり、警告を忘れて旅立つ

どうでしょう、不思議な感じになりましたか?

私の頭は元から不思議です。

さて、清々しい朝だ。

都会では感じられそうもない自然の癒しがある。

明日の朝に帰るからじっくり居られるのは今日だけ。

ここには朝飯がない、その代わり昼と夜のご飯が凄いのだ。

なので散歩をする、あの老人や中居さんに会って話を聞かねばちゃんとしたものが書けない。


「しまった……老人の部屋をあの時聞いていれば……。」


あの時は逆上せたから質問などあまりしなく、出てしまった。

中居さんならよく知っていると思い、ロビーへ向かう。


「あら齋藤さん、朝早いですねぇ」

「暇なので散歩しているだけです」

「暇な旅館で申し訳ないですー」

「あっ、いえそんな事はないです、ただふと散歩しようと思っただけで」

「いいんですよ、お客様がしっかり休んで明日の糧にしてくれれば」

「で、齋藤さん、ロビーに何の御用が?」

「老人の部屋を教えてもらいたいんですよ」

「お客様のプライベートな事はご自身に許可を貰わないとダメですねぇ」

「そこをなんとかお願い出来ませんか?」

「うーん……」


考えている様なので暫く待っていると中居さんが笑ってきた。


「居ませんよ、老人なんて」

「えっ?」

「49年通っていると言っていましたが……?」

「49年間……そんな通っているなら覚えますよ」

「ありがとうございます」

「はいどうも、また質問等ありましたら遠慮なくどうぞ」


一礼して自室を目指す、にしてもおかしい。

昨日の夜確かに老人に会い、話を聞いた。

それをメモした紙もあるし……でも中居さんが嘘を言っているとは思えない。

とりあえず証拠を確認するため自室に戻る。


「確かここらへんに……」

「あ、やっぱりあるじゃないか」


そして紙を見る、やはり老人の話がきっちり書いてある。

だが今また一つ不思議な事が増えた。


「あれ……あれ……なんで……?」

「どうしてだ……?」


老人の声が、姿が、顔が思い出せない。

昨日風呂に入っているときにそこに居た老人が話しかけてきた。

あれ?

昨日は貸切状態のはず……なのにそこに居た。

入ってきたなら分かるが、一番先に思い浮かんだのがそこに居た。

覚えているはずなのに知らない状況を思い出す。


「何を呻っているの、そこの人」

「聞こえてないのかしら、そこの人、何を呻っているの」

「はっ!?」


老人の恐ろしい顔が浮かんできて驚いたら着物の女の子が居た。


「おはようございます、泊りに来たのですか?」

「ええ、そうよ」

「よければお名前を聞いてもよろいいでしょうか?」

麻沼霧笑(あさぬまきりえ)

「では麻沼さんはこの部屋の噂、知ってる?」

「ええ、人形が増えるって噂でしょ」

「はい、ここは初めてですか?」

「いいえ、たまに両親と来ているわ」

「ふむふむ」

「わざとらしく言っても私は喜ばないわよ」

「これは失礼しました」

「何をメモしているの」

「麻沼さんの事です、心配しなくても書くのは名前と歳くらいです」

「私の歳は、そうねぇ」

「何歳に見える?」

「え……13か14くらいかと」

「ならそれでいいわ」

「え?」

「私は14歳よ」


不思議な着物を着ている少女に出会ったもんだ。

歳を言うのかと思ったら自分の答えを歳にするとは。


「ん、麻沼さんの持っているそれは?」

「万華鏡よ、覗いてみる?」

「是非」

「ただし、覗いたらもう終わりよ?」

「一回だけでもいいですよ」

「いえ、もう戻って来れないという意味よ」


本当に不思議な子だな。

アニメやファンタジーの見過ぎじゃないのか。


「はい、では見せてくださいな」

「いいわよ」


最後にさよなら、と聞こえた気がするが、多分気のせいだ。

人形が喜んで跳ねている気がするのも気のせい。

老人の声や人形が鳴る音が聞こえるのも全部、全部……。

そうして、急に眠気が来て、脱力感が来て、寒気が来て……。

考えるのも疲れたとき、物語が始まった。



微妙な出来(悪いほうが多い)

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