表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/29

第7話:神様がもしもブラック企業の元社畜だったら。その弐

~神は人類に魔法をお授けになられた~


神は五日目4:45:47にログインした。


 うんむ。

 順調、順調。

 世界は魂の代謝を繰り返して活性化しております。

 俺にも転生ポイントが入ってくるのを感じますな。

 これ以上増えても使い道が無いのが残念ですが。


 さてここで目標のおさらいをしましょうか。

 まず第一に、転生者による世界の蹂躙を阻止する。

 第二に、蹂躙されず世界を飛躍的に活性化させる。

 この二つが目標なのですが、第一の目標は私が許可しなければ問題ないです。

 ランダム転生者を引っ張ってくれば良いだけですし。

 今のところは契約が自動更新型ですので、しばらくは天使とか必要ないですね。

 この中でも結構活躍してる人がいますから、ポイントが高い人もいます。

 まあ、そんな人はさっさと別の世界に行っちゃうんですがね。

 原始時代に来る人は結構物好きです。

 まあ神話生物になりたいという人も中にはいますが。

 記憶持ち越しは禁止してますので、そうそう無双とかないでしょう。


 そして二点目が難しい。

 活性化の方法が思いつかない。まずは終焉までやってみてからですね。

 まずこの世界がうまく軌道に乗ったらそれから他の世界を動かしましょう。

 いまでも多少のノウハウは出来てますからね。

 技術の蓄積は大事です。

 技術といえば技術体系を独自のものにするには、どうしたら良いんだろうかね?

 そこらへんが重要ですな。


 さて、まずはこの小世界です。

 三種族は結局別れて暮らしているようです。

 集落は以前よりましになったようですな。

 火のおかげが土器も作られるようになっています。

 

 でもそんなに増えてないなぁ。

 どうしてだろ?

 それにしてもやたら警戒してるな。

 天敵はまだ怖いか。

 水汲みも大人が数人で行ってるね。武装もしてるな。

 む、川の中からなんか出てきた?


 う、馬!? あ、ケルピーか!?

 えっ!? 全員逃げ出した!!

 あの馬強いのか!?

 ケルピーの周りの水が動き出した!!

 あっ!! 一人水に飲み込まれた!!

 槍を振り回してるけど、水の中じゃ無理だよ!!

 投石も水で防いだ!!

 矢も無理か!!

 あいつ、グリフォンより強い!?


 一人犠牲者が出たか。

 しかも水が汲めないときたもんだ。


 皆しょんぼりしてるな。

 狩りの準備ですか。

 投げ槍もあるのか。

 投石も道具を使って効率的になってます。


 獲物はグリフォンですな。

 さて、どれくらい効率的になったか見てみ……うぇええ?!

 羽ばたきで飛び道具が効かない!?

 ああっ!! 皆吹き飛ばされた!!


 おおっ! 一人命がけの特攻をしやがった!!

 翼にダメージを与えたぞっ!!

 頑張れっ!!


 ああっグリフォンの体当たりが決まった!!

 槍が折れたっ!

 石で殴った!!

 頑張れっ!! あと少し!!


 やった! 倒したぞ!!

 皆大喜びだな!

 意気揚々で帰ってる。

 

 ふうむ、一時はどうなることかと思ったぞ。

 しかし、獲物も進化してるな。

 魔法っぽい力を使って、飛び道具を無効化してる。

 そりゃあ石器じゃ勝てないわな。


 他もそうなのか見てみよう。

 ふむ、ドワーフ族は青銅で何か作ってるみたいだけど、戦ってる相手が皆固いな。

 濡れた紙見たくサクサクやられてますな。

 青銅のハンマーっぽいので岩肌の化け物……ロックベアーを殴ってますが、表面が欠けるだけですな。

 岩石投げですか。クマの癖に生意気な。

 飛び道具で一方的にやられています。

 洞窟に逃げ込みました。

 ああっ!! ロックベアーに洞窟が岩でふさがれた!! 出られないのにロックワームが出てきた!!

 待ち伏せで蹂躙された……。

 ロックベアーとロックワームで獲物は折半ですか。仲のよろしいことで……

 狩りが出来る人が全滅した集落は、完全にお葬式状態です。


 エルフ族は、毒にやられてるな。森で解毒剤を作ってるみたいだけど、その草花に化けたモンスターやら森林戦特化のモンスターに皆苦戦してる。

 ペガサスは翼ではありえない軌道でエルフたちに接近して踏み潰すし、猿っぽい生物、フォレストエイプは立体軌道を駆使して、ありえない動きでエルフたちを次々に殺してる。

 お前らはどこぞの兵長さんですか!?

 猿の癖に腕振り回しただけで木々があっさり倒れるってありえねぇ!!

 全く気配が無い食人植物の罠にかかって次々に数を減らしたところで、今度はヴェノムスパイダーですか……

 解毒用の薬草を取りに行って毒状態で帰ってくる。なにこの悪循環……

 うわぁ……今度は病気か……集落がほぼ罹患してる。


 人族の集落は焼いたグリフォンの匂いに釣られてワイバーンが来襲。

 うぉっ!? ワイバーンが火を噴いた?!

 前は吹いてなかったのに!!

 喰われる!! せっかく取ったグリフォンが食われてる!!

 ああっ!! 人も食われた!! 踊り食い状態だ!! 

 ……期待を込めた人類が全滅しそうな件。


 神話生物が投石で倒せてるからおかしいと思ったんだ……

 そりゃただの獣ならどうにかできるだろうけどさ。

 特殊能力があったらそら原始人じゃ勝てんわな。

 つーか普通の動物は……ああ、人間たちが狩る前にあいつらが狩っちゃうのね……

 狩れてもさっきみたいに横取りされるというわけか。


 原始時代ファンタジー恐るべし。

 人間の立ち入る隙はないな。

 うわぁ……神話生物同士の戦いはトンデモねぇ……

 ロックベアーの岩石投げがグリフォンにヒット!

 グリフォン堪らず地に落ちる!

 ワイバーンがベアーの獲物を横取りする隙を見計らってフォレストエイプの群れがワイバーンに飛び掛る!!

 ワイバーンは不意打ちを喰らって動けない!!

 ロックベアーはそれを無視して獲物を持って帰る途中に、ヴェノムスパイダーが仕掛けたトラップにはまった!!

 蜘蛛の巣で動けないロックベアーをさらに糸で巻いて完全に繭状態だ!!

 そしておもむろにグリフォンに喰らいつくスパイダー!

 今度はワイバーンを蹂躙したエイプにケルピーが不意打ちだ!!

 水球になすすべのないエイプは獲物を放り出して逃げ出した!!

 おもむろに獲物に喰らいつこうとするケルピーに食人植物が襲い掛かる!!

 幾ら水が操れようとも消化液の前には無力!! ゆっくりと溶かされるケルピー。

 ペガサスがワイバーンをおいしくいただきました。

 スゲー! これぞ弱肉強食。

 ……って皆肉食かい!!


 どうしてこうなった。

 原因は何だ?

 何で皆肉食なんだ? あ、普通の動物が皆草食だ。

 草を食べるライオンってはじめてみた……

 なんで俺の進化させた種族だけ特殊能力が無い? 

 他の生物を調べてみると、力の内在量が増えているようだ。

 それで特殊能力が使えるようになったのか。


 三種族皆絶望してるな……

 おや、皆黙々と作業してる?

 それぞれに武器を持って移動してますな。

 決死の覚悟か? あれ? 皆の行く方向は、もしや……

 ……おいこらやめろ!!

 他種族襲うなんてやめるんだ!!

 ああっ! また皆武装してご対面だ!!

 一触即発状態だ!!


「皆の者、争うでない!!」


 おっ! 動きが止まった。


「お前たちに力を授けよう。祈るがよい」


 よし、皆武器を捨てて祈り始めた。

 なんとか争いは止めることが出来た。

 次は彼らの力の源、プリマ・マテリア、マナ、プラーナの内在量を増やすか。

 俺は念じて彼らの力の内在量を増やした。


 するとどうだろう。

 一人のエルフが指先から小さい炎を出した。

 これには皆も驚いたようだ。

 彼らも魔法が使えるようになったのだ。

 これであの化け物どもに対抗できるはず。


「神に祈れ。さすれば与えられん」


 そうして彼らとのリンクを切った。

 さて、体系的な魔法やら何やらを用意しますか。

 これが以外に難しい。

 力が三種類あるので三種の体系を作らなければいけないのである。

 かなり時間がかかってしまったがなんとかなった。


 人族たちを見ると手にした力でうまく狩りが出来るようになったみたいだ。

 これで文明が出来るはず。


# RUN HEAVEN AND EARTH

神はエラー無しと見て、よしとした。

神は六日目1:31:56にログアウトした。



~神は眠りにつかれた~


神は六日目3:56:08にログインした。


 さて、ゆっくり眠れたね。いつものように調子が良い。

 どうなってるかな?

 ログを確認。ドラゴンは便利だな、情報収集がうまい。

 皆、神話生物も楽とは言わないけど倒せてる。


 ドワーフ族は結構色々作ってるみたいだ。

 武器がメインみたいですが他の道具も作ってるみたいだね。

 鉄器はまだ見たいだけど、青銅器はちらほらとあるね。

 

 エルフ族も森からいろんな薬草を採ってきて薬を作ってるみたいだ。

 森の中ならほぼ敵なしだな。イメージ通り弓の名手になった。

 意外なのはクロスボウも使ってるところか。


 人族は平地で沢山の集落を作ってる。数が一番多いな。

 なによりすごいのは農耕を始めたってところか。

 食料の安定供給は文明の発展を促すから、これで飛躍的に発達するぞ!

 

 随分と安定してきたからほうっておいても大丈夫だな。

 よし! この調子で他の世界も作っちゃうぞ!!

 ノウハウはあるからこれでいける!!


 俺は中央世界を調整することにした。

 中央の世界にも海やら陸地やらを作り、記録用モノリスとドラゴンを作り出す。

 うむ、スムーズに出来た。

 小世界の人をモデルに人族、エフル族などを創っていく。

 む、力が一種類しかない? 

 ああそうか、早く作りすぎて大地に力が行き渡ってないのか。

 しょうがないのでプリマ・マテリアだけで創る。

 ようし、順調だ。


 小世界では自然発生させていた生物もこちらで創る。

 コピペだけどね。


 よし、最初に作った小世界は第一世界としよう!

 第一世界と中央世界にゲートを作る。

 これで互いの行き来が可能になるはず、やったこと無いからわからないけど……


 よーし! 第二、第三と順番に世界を創っていくぞ!!

 俺は順番に世界のゲートを開きつつ、並行作業で創りだしていく。

 手馴れたものだ。

 それぞれに個性をつけることにする。

 具体的には資源に偏りを持たせるのだ。

 それによって特化技術が生まれるはずだ!!

 無論、他の世界にも行き来できるようにしてあるから、資源の融通が出来るのだ!

 疲れてきたが……まだ……まだいける…… 

 ……魔法も設定して……世界の……安定を……確認……

 なんだ……意識が……遠のいていく……まだ終われない……


#time out

一定時間入力がありません。

強制ログアウトします。


神は七日目00:59:59にログアウトした。



~バイト天使は神に説教をした~


 大丈夫ですか?

 随分無茶なことをしますね。

 過労死をしたいのですか?

 一つの世界を作るのに三十日以上かけるのが普通です。

 もっと時間をかけてゆっくりするべきなんですよ。

 そうしないと歪みが大きく出てしまうんです。

 相当調整してますね。本当に大丈夫ですか?

 世界が、じゃなくてあなたが、です。

 ログを見ましたが最後のほうほとんど一日で作業してるじゃないですか。

 それ以前もほとんど休んでませんし、本当に死んでしまいますよ?

 ヘルプとか見なかったんですか?

 ほら、念じたらメニューの中に入ってますよ。

 え? そんなの見なかった?

 全部自力で適当にやった?

 それはそれですごいですが、最初からこんな無茶な構造にして大丈夫ですか?

 え? 技術不足で中央から力を分ける構造にした?

 でも中央にも世界がありますが、これ中央で問題起こされたらまずいですよ?

 中央に行き来できるようにしてある?

 ただゲートつなげただけじゃないですか!

 一方通行ですよ! こんなの!

 力の流れに逆らわないと中央世界に行けないじゃないですか!

 小世界から中央世界へ行くのは自殺行為です。

 まあ、小世界の問題がやってこないという点では評価できますが……


 周りの世界は安定してるんですか?

 それは問題ない? 何言ってるんですか、問題だらけじゃないですか!

 え? これは個性だ、だから問題ない?

 いや、色々足りないのはどう見ても欠陥ですよ。

 何ですか、この水の少ない鉄分の多い赤茶けた大地の世界って。

 魔法で水生成するから大丈夫? 

 水魔法を使える人が限られてますよ?

 それで大丈夫なんですか?

 あと、転移魔法があったり、世界各地に転移用のパワースポットがあるのは何故です?

 足りない資源を異世界から融通する?

 だったら最初から全部そろえといてください。

 略奪が始まりますよ。

 人間というか知的生命体はそういうものです。

 まあ、そういう混乱状態を作り出すのが目的なら問題ありませんけど、その表情だと知らなかったみたいですね。


 というか、よく同時期に自然発生しましたね。

 普通は様々な要因でバラバラになるんですが……

 はぁ?! 全部創った?! 死ぬ気ですか!?

 だったら化石燃料とかもほとんど無いって事ですよね?!

 あれは時間かけないとでてきませんから。

 化石燃料も創ってある世界がいくつかある?

 独自進化に期待するしかない?

 ……はぁ……そうですね……うまくいくといいですね……

 まあ、大体安定しているので大丈夫だとは思いますが…………


 とにかく、今は休んでください。

 本当に死んでしまいます。

 創世は非常に労力がいるんですよ。

 それこそ本当に過労死してしまいます。

 まだ仕事がある? ヘルプを見て調整する?

 まだ働く気ですか!?

 ああっ! 動かないで!! 本当に死にます!!

 もうふらふらじゃないですか!!

 手なんて震えてますし、汗もずっとかいてるじゃないですか!!

 四日前からいつもの調子になっただけだ?

 四日もほっといたんですか!!

 え? いつものことだから問題ない?

 問題だらけです!!

 もうそんなに詰めて働く必要は無いんです!!

 我が主様はそんなことでクビにしませんから!!

 は? 嘘だ? そんなの建前だ?

 そんなことありませんから!!

 あなた自営業でしょう?!

 え? 自営業ならなおさら休むのは自由だ、仕事させろ?

 死ぬ気ですか!?

 ああっ!! 動いちゃだめです!!

 だれか!! だれか止めてください!!

 シャンタク鳥!! 彼を押さえつけなさい!!

 っ!? 吹き飛ばされた!! 曲がりなりにも神ですか……


 仕方がありません……最終手段です。


*爆音が響く、その後静かになる*


 神はその日、ログインせずに安息なされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ