幸せは長くは続かない
ーーーーーーっはあ...
瞬間なり響く拍手喝采。
私が歌っている時茫然と聴いていた招待していた音楽隊のみんなが私の歌に合わせて楽器を奏でてくれた。
伴奏が変わると私のしっている音楽じゃなくなるから変な感じ
フフっと声がもれてしまった
お父様とお母様が頬を上気させながら盛大に褒めてくれた
ユーリくんは若干潤んだ目で私の歌にどれだけ感動したかを力説してくれた
お父様なんてこんないい娘は他に居ないだろうと招待客に親ばかを発揮してくれた(笑)
こんな幸せな空間はそう長く続かなかった。
突如パリンと窓ガラスの割れる音と客の悲鳴。瞬間、一筋の雷電が頭上を過ぎ去ったとほぼ同時に天井のシャンデリアの割れる音。
暗闇がダンスホールを覆った。
みんなが突然の事に戸惑っているのを空気を伝って分かる。
だんだん暗闇に目が慣れてくると月明かりを頼りにあたりを見渡す。
そんな時ダンスホール中央に謎の集団がいる事に気が付いた。
隣にいるユーリくんはまだ目が見えないようだ。
だんだんその集団の存在に気が付いた人達が騒ぎ始めた。
「俺たちは王太子殿下の御命を貰いにきた!!殺されたくなければおとなしくその場で床にうつぶせになれ!」
ユーリくんの命を!?それってつまりユーリくんを殺すってこと!?
まだユーリくんは幼いのに!!
隣にいるユーリくんが大きく震えている。
どうすれば!
こつ、こつ・・・とだんだん近づいてくる音に言い知れない恐怖を感じた
ーーーーそうだ!魔法!
ーーーーすぅ!
『っ!!!??むぐぅ!!!』
いざ魔法を使おうとした瞬間背後から口をふさがれた!
っはとして押さえつけられてあまり回らない首を後ろに少し傾けると魔術師のローブがチラッとみえた
「お嬢ちゃん、いけないなぁ。さっきの魔法見ていたよ。その魔法は精神に干渉するものでしょー?」
ああ、こいつ賊の仲間かと頭の中の冷静な自分がささやいていた。
「おい何してんだ!早く王子様かっさらっていくぞ」
リーダーらしき人の声が響いた。
「あ!リーダー!!この子高値で売れますよぉ!きっと!顔はいいし、何より魔法が使えるみたいですよお」
やけに間延びしたこの男の声に底知れぬ恐怖を感じた。
のほほんとした声なのに内容はえげつない。
「ほお、確かにお前は見る目があるしな。今までお前が口添えしたやつは高く売れていった。じゃあ、そいつもさらってくか」
「りょーかい!」
トシュッ
軽い音とともにくる項の激痛
だんだん暗くなる意識の端に見えたのは泣きそうな顔のユーリくんとユーリくんを抱えて逃げる護衛の人の背中だった。
(ああ、よかった。これで少なくともユーリくんは助かった...)
そこで完全に意識がブラックアウトした。
追加しました。