覚醒
七歳の誕生日わたしは思い出した。
思い出した・・・って何が?って思うでしょ?
わたし、前世の記憶思い出したみたい・・・
最初は混乱したけど本当みたい。
だって、この世界には科学なんて呼べるものは存在していないんだもの。
その代わりに存在するのが魔法って存在かな?
そうそう、話がそれたけどわたしの前世の記憶では思いだせるものと、記憶から消されてるものがあるらしいの。
例えば、わたしはなにが原因で死んだのか覚えていない。確か、歳は23歳だった。社会人で独身の孤独なOLだった。
だから七歳児にしては、はっきりした喋り方になってしまった。みんなの前では気をつけないとね。
そこまではいい。でも、自分の姿かたち、名前はすっぽりと記憶から抜けているんだ・・・・。
「リーナちゃんどうしたの?具合でも悪い?」
っは!考え事に没頭してた・・・・・。
因みに、いま声をかけてきたのはユーリ君っていうの。わたしの幼馴染
ユーリ君は、【ユーリシア・セイラ・ヴァンティス】っていうの。ユーリ君ね実は・・・第3王子様なんだ~
リーナというのは、わたし、【リーネル・イーザー・アリシア】っていうの。
でも、長いから愛称のリーナの方が好きなの!!
ユーリ君もお名前が長くて舌がからまっちゃうからユーリ君って読んでるの
あ、そういえばまだ返事してなかった!!
「ううん、大丈夫。ちょっとボーっとしていただけだから」
周りを見るとお母様もお父様も心配そうに観ていた
今は限られた招待客のひとをよんだ、わたしの誕生日披露会の途中なの
今の言葉で分かると思うけどわたしの家は貴族で結構位が高いらしいの。そんな自覚は全くもってないけどね。そもそも、わたしのお父様のモットーが『物を粗末にしない、お金の無駄使い禁止、何かしてもらったらきちんとお礼を言う』お父様がいつも言っているわ。
「それではリーナ・・・「「「お誕生日おめでとう」」」」
「ありがとうございます!!」
わたしは満面の笑みでお礼を言った
だって、こんなにもわたしを祝ってくれる人がいるんですもの。嬉しいに決まっているわ!!
そこでわたしは思った
皆に、歌をプレゼントしようと
さっき、思い出したばかりだけど前世では歌手に選ばれるほどうまかったらしいわ。きっと歌えるはずよ。
「では、わたしから皆様に感謝の気持ちを込めて歌を贈る事にしました!!」
そのとき頭の中で、ピロンという音がした。
そして目の前には、
『おめでとうございます。見事あなただけの魔法を習得しました。』
魔法・・・。
突如、すー・・・と頭に流れ込んでくる膨大な知識の渦。
瞬間どうやって魔法を使うのか、そして何の魔法なのかを理解した。
魔力を作りながら準備をした。
すう、と息を吸う自分の呼吸音がやけに響いて聞こえた。
『癒しのメロディ!!』
わたしが使える魔法は、その歌で私以外の人の気持ちを操作できる事、歌の歌詞に込められた通りの効果が出る事。
初めての体験だけどやるしかないね!!ちょうどいい歌も知っている事だし!!
さあ、わたしのショーの始まりだよ!!
編集しました(12月19日)