16話 補足 『ロミオとジュリエット』の戯曲台詞の例と上演構成
シェイクスピア原作『ロミオとジュリエット』の戯曲における台詞は、意外にも簡素でした。
俳優への細かな指示は、台詞内にはほとんど見られないと、ChatGPT Plus に回答されました。
私自身は原文を直接読んでいないため、間違っているかもしれません。
以下に、冒頭部分のみ記載します。
原文を省略して書いてもらっているため、第1話とは内容に違いがあります。
『ロミオとジュリエット』
第一幕 第一場
ヴェローナ。公の場所
(〔登場〕キャピュレット家の召使サムソンとグレゴリー、剣と小盾を帯びて入る)
サムソン:
グレゴリー、言っとくが、俺は石炭運びなんぞじゃねえぞ。
グレゴリー:
ああ、石炭運びだったら、真っ黒けだ。そんな恥はごめんだな。
サムソン:
俺が怒っちまったら、剣を抜くぜ。
グレゴリー:
おまえが怒るより早く、首が飛ぶかもな。
サムソン:
俺は動かされたら、すぐにでも一発喰らわせる。
グレゴリー:
でも、そう簡単に動かされないってことだろ?
サムソン:
聞けよ、グレゴリー──召使には召使の喧嘩の仕方ってもんがある。
俺たちがモンタギュー家の奴らを見たら、まずは睨みを利かせてやる。
グレゴリー:
睨むだけじゃ足りねえ、親指でも噛んでやれよ。
(アブラハムと別のモンタギュー家の召使が登場)
サムソン:(親指を噛む)
ふん!
アブラハム:
それ、俺たちに向かってやったのか?
サムソン:(戸惑って)
ええと……いや、向けたわけじゃ……いや、向けたとも言えるし……
グレゴリー:(ささやく)
下手な挑発はするな。手を出させるんだ。
アブラハム:
聞いてるんだ、やったのか?
サムソン:
おまえらがケンカを売ってくるなら、受けて立つがな!
(剣を抜き、乱闘が始まる)
(〔登場〕ベリオ、剣を抜いて駆け寄る)
ベリオ:
やめろ、やめるんだ!
剣を収めよ、愚か者ども! どうしてこんなことで斬り合う!
(〔登場〕ティボルト)
ティボルト:
平和だと? 俺はあいつらの名を聞くだけで怒りがこみ上げる!
モンタギューを愛するくらいなら、地獄を愛したほうがましだ!
ベリオ:
我らは喧嘩を止めようとしておる!
ティボルト:
そんな口実で剣を抜くとは、見上げた偽善者だな!
(ティボルト、ベリオに斬りかかる)
(〔登場〕市民たち)
市民たち:
剣を収めよ! 騒ぎはもうたくさんだ!
(〔登場〕キャピュレットとモンタギュー、それぞれに夫人たち)
キャピュレット(老人にして怒りを露わに):
剣を持ってこい! わしの長剣を!
キャピュレット夫人:
長剣? そんなのより、杖のほうが要るでしょうに。
モンタギュー:
ああ、あの乱暴者め、武器を持てば猿も武士になるわ!
(両家入り乱れ、剣を抜いて叫ぶ)
(〔登場〕ヴェローナ公爵 エスカラス、従者を伴って)
エスカラス公:
無法者ども、剣を収めよ!
三度目だぞ、このヴェローナの街で両家が騒ぎを起こしたのは!
汝ら、平穏を破り、剣で市民を恐れさせた。
次に乱を起こせば、命をもって償わせるぞ!
キャピュレットは、我がもとへ参れ。
モンタギューは、今夕、我が館にて申開きを聞こう。
(公爵、退場)
(残るモンタギュー家)
モンタギュー夫人:
ああ、いつになったらこの争いは終わるのかしら……
モンタギュー:
それより、ロミオは今どこにおるのだ?
ベリオ:
朝から城門の外で独り歩き、ため息ばかりです。
(ロミオ、ようやく登場)
ロミオ:
ああ……恋とは、なぜこれほど苦しいのか……
ロザラインよ、なぜ、そなたは我を見ぬのだ……
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全体構成と時間配分(約2時間30分の上演を想定)
シェイクスピアの原作は5幕構成で、現代の舞台では休憩1回あり・全体2時間30分前後が通例です。
幕内容の要約時間の目安(分)構成比(%)
第1幕両家の抗争、ロミオとロザラインの話、舞踏会でジュリエットと出会う約30分約20%
第2幕バルコニーの誓い、密かな結婚の決意と実行約25分約17%
第3幕ティボルトとの決闘、マーキューシオの死、ロミオ追放、結婚の危機約35分約23%
第4幕仮死の計画、ジュリエットの決断約20分約13%
第5幕墓所での悲劇、ふたりの死、両家の和解約30分約20%
※本作の15話も概ね戯曲の流れからは逸脱していないと推論できる。
真実を書くか少し悩みましたが、事実を捻じ曲げるのも良くないと考え、ここにだけ書きます。
最初に公開されたとき、ジュリエットは「13歳」、ロミオの年齢は定かではありませんが、16~17歳程度とされています。
今から427年前の話です。当時は寿命も50歳を切っていた時代だと思います。現代では、明らかな犯罪ですね。




