日常生活の中で起こったチョット面白かったこと
さて、チョットお茶目な僕の奥さんの話をしてみようかな。
奥さんが買い物に行くと言うので、僕は頼んでみた。
「スーパーに行くなら、ついでに羊羹を買ってよ」
僕は羊羹が大好きなんだ。でも、頼んだのはスーパーで売ってる安いやつだよ。
奥さんはニッコリして、
「さっき長男にお菓子も頼まれたし、晩ご飯の買い物ついでに行ってくるね」
「ありがとう。気をつけてねー」
僕は奥さんを見送った。この後に起こる悲劇をまだ知らなかった。
「ただいま〜」
奥さんが帰ってきた。奥さんの荷物を預かった時に少しだけイヤな感じがした。
エコバッグの中に、僕が頼んだ羊羹がないような気がしたんだ。
「次男の分がなかったら可哀想だから、次男から頼まれてないけど好きなカステラを買ったよ」
奥さんはニッコリと言ったよ。
「うわ〜、ありがとう」
次男は予想外のお菓子に嬉しそうだ。
長男はチョコレート、次男はカステラ。
うん、うん。優しい母親だね。
んっ?僕の羊羹は?
「あっ、ごめーん。羊羹忘れちゃった」
満面の笑顔で奥さんは言ったよ。
次男は頼んでいないのにカステラ買ってもらったけど、頼んだ僕の羊羹はスッカリ忘れられた。
「長男のチョコレートを買う時に次男坊の顔が浮かんだんだけど、貴方の羊羹は消えちゃったのよ。ホントにごめんね」
奥さんの満面の笑顔には僕は完敗だ。
「いいよ、いいよ。また今度頼むよ」
僕は羊羹を諦めて、二本目のコーラ缶を空けた。
ホントは、コーラと羊羹の黄金コンビを堪能するつもりだった。
長男と次男はムシャムシャ美味しそうにお菓子を食べている。僕はひたすらコーラだ。
奥さんはご機嫌に鼻歌を歌っている。
ちなみに、この日は一応給料日だった。ささやかな僕の羊羹は幻に変わった。
スーパーの羊羹は100円プラス消費税だ。
寝る前に、次男が奥さんに言ったよ。
「パパが可哀想だから、次は羊羹買ってあげてね」
おー!次男よ、君は最高だ!!
「そうね。でも、また忘れちゃうかもね」
奥さんの言葉がまんざらでもなさそうだよ。
でも、僕は知ってるよ。
僕の奥さんはお茶目だけど、優しくてカワイイ女性なんだ。