進化した炎
誤字脱字があるかもしれません、ご了承ください。
「「炎弾」」
二人の魔導士が紡いだ魔法は、ただの最弱魔法、だがそれは既に最弱魔法などではなく、上位魔法すら軽く凌駕する威力を誇っていた。
「ギュエッ!!!ギィィィッ!」
魔物たちが次々と断末魔を上げ灰と化す。
アイミスは驚愕した。
収穫の義を耐え抜いたアミィの全力の炎弾はアイミスが放った炎弾と速さも威力も同等か、下手をすればそれ以上まで引き上がっていた。
(驚いたね……私も今の魔法は威力を抑えた訳じゃない……さっきまでの訓練である程度の威力が出ることは予想していたが……)
アイミス自身も手を抜かずにほとんど全力で炎弾を放ったのだ。
今の攻撃で魔物の群れの3割が消滅した、残りの魔物は実戦訓練も兼ねて体術と身体強化魔法のみで片付ける。
アミィはアイミスの戦う姿を見てその戦闘技術を盗もうとする。
アイミスは身体強化六倍まで使える、そしてその強化を弱めたり強めたりすることでとてつもない緩急を作り出し敵を翻弄する、あまりの緩急に、鍛え抜かれたアミィの視覚でさえもアイミスが消えたよう見える。
理論は簡単だが再現するにはとてつもない鍛錬と魔法のセンスが必要だろう。
(あの戦闘技術を盗むには時間がかかりそうだね…… )
私は刻印魔法でしか身体強化魔法を使えないので問題はまだまだある。
一方でアイミスはアミィの動きに驚く。
元々の魔力量が高いアミィは 収穫の義でさらに魔力量が底上げされていた。
(体を循環させる魔力が増えて身体能力も底上げされている、まだまだ動きが粗いけどね)
二人が駈ける戦場はすでに戦いなどはなく真っ赤な雨の降る一方的な蹂躙であった。
⚫⚪⚫
援護に駆けつけた森妖精族達はその光景に絶句していた。
魔物たちは決して弱くわない。
群れの中には森妖精族ですら数人で相手をしなければ危ない魔物もいる、その群れの中で縦横無尽に駆け回り、血の雨を降らせている人間に。
「た、ただいま!援軍に駆けつけました!!」
「遅かったね」
2人のうち1人の背丈がやや高い金髪の女が答える。
その横にはまだ少女とも呼べる背の小さい赤髪の少女が佇んでいた。
「こんにちは」
赤髪の少女も答える、近づいてみると改めてその小柄さに驚く。
「あとは私たちに任せてください!!」
「あぁ、ありがとう」
後は援軍に任せて私とアイミスは休憩をとることにする。
「美味い」
アイミスが収納魔法で持ってきていた大きなお弁当を頬張る。
「掃討が完了しました!」
流石は森妖精族の精鋭達、すでに私達が7割がたを片づけていたとはいえ残りの魔物をわずか20分足らずで掃討してしまった。
「おっ、早かったね」
「モグモグ」
「よ、よくご飯が進みますね…」
返り血で汚れた髪と服のままご飯を貪る私に顔を引き攣らせている。
兵士とて戦場でご飯を胃袋に流し込む訓練はしているはずだが……
「?」
「アミィは特別だよ」
私が不思議そうな顔をしているとアイミスが割って入ってきた。
「血と臓物の悪臭がただよう戦場でここまで美味しそうにご飯を食べるのはあんたぐらいだよ」
確かに、目の前には魔物の血肉が飛び散っていた。
長い森での暮らしのせいだろうか。
美味しければ関係ないよね、と。
半ば顔を引きつらせた森妖精族にお弁当を分けようとしたが全力で首を振られた。
そうこうしているうちにどうやらほかの部隊も殲滅が完了したようだ。
アイミスはずっと違和感を感じていた。
今回の魔物の襲撃の主犯、そう、元魔王アルス軍幹部のフィットレンの姿を1度も確認していないのだ。
あれだけあたしへの復讐に固執していたフィットレンがこの戦争では1度もあたしに接触してきていない……
――嫌な予感がするね……
数多の修羅場で磨かれたアイミスの勘はアミィの森で磨かれた勘と同様、いや、それ以上に高確率で的中する。
今回もまた例外ではなかった――
ドゴォォォォォォオン!!!!
凄まじい爆音が耳をつんざく。
アイミスとアミィは回避出来たが、
今の何者かの攻撃によって数十人の森妖精族が負傷したようだ。
二人はその攻撃の正体へと目を向ける―――
ご拝読ありがとうございます!
まだまだ続きます、
ちょっとずつですが更新を続けていきたいと思っておりますので今後ともよろしくお願いします!




