支える者
誤字脱字があるかもしれません、ご了承ください。
流石は森妖精族と言うべきか、わずか3日足らずで指定の区域まで避難を完了させた。
空間系の魔法を使えるものもいるようでそのものが食料の運搬を手伝い、ほとんどの森妖精族が身体強化系の魔法を使えるため人間の国よりも何十倍も早く避難が完了したのだ。
「凄いねぇ…」
ここ最近は忙しかったのでろくに食事を出来ていなかったアイミスが干し肉をかじり、王宮の1番高い建物の屋根から避難し終わった森妖精族を見渡す。
「お隣、いいですかな?」
統率の取れた避難の様子に感心していたアイミスに先程、魂についての知識があったおばさん臭い森妖精族美女が話しかけてきた。
「あんたはさっきの…」
「イドリですわい」
「あぁ……どうも…」
どこか掴めない森妖精族が隣に座る。
「避難について感心しているようですな」
「あぁ、統率が取れている、これも幹部達と民が優秀な証だ」
「えぇ、ありがとうございます」
ニコニコと森妖精族は自分の事のように喜ぶ。
「少し、話をしてもよろしいですかな?」
「あぁ、構わないが」
「私は、実は創成の時からヴィーネス様に使えておりましてな」
当時森妖精族は魔法に優れてはいたものの群れを作らない習性のためか、森妖精族狩りにあっていました。
並の冒険者程度なら軽くあしらえるのだが実力のある森妖精族狩りに襲われれば一溜りもなかったのです。
「私も森妖精族狩りに会いましてな、もうダメかと思いましたわい」
そんな時、救ってくれたのが皇帝ヴィーネスだった。
ヴィーネス様はミュール様とプラン様を連れて国を作ると、そうおっしゃった。
まだ若かった私は思わず笑ってしまいましたよ、作れるはずがない、誇り高い森妖精族が群れるはずがない、そう思っておりました。
ですがヴィーネス様、ミュール様、プラン様は、笑った私を笑い返しました。
創れないはずがない、と。
でもヴィーネス様達は言いました、ならついてこい、面白いものを見せてやる、と。
この人ならもしかしたら出来るかもしれない、そう思ってしまいました。
「本当に作ってしまうのですから笑ってしまいましたよ、でも最初の笑いなんかと比べ物にならないほど清々しくて気持ちよかった」
「嗚呼、この人について来て正解だったと」
イドリのその目には一糸違わぬ忠誠が写っていた。
「綺麗でしょう、この街は」
「あぁ」
「あなたは強い、どうかこの国を守ってください」
「あぁ、必ず」
「ありがとうございます」
エルメルスができた頃からいたとなるとイドリは相当歳を取っていることになる。
「それでは私は兵の様子を見てきますわい」
「あぁ……ってちょっとあんた!」
離れていくイドリの背中を呼び止める。
「――?、なんですかな?」
「あんた、相当生きているだろ?あんたは戦わないのかい?」
「ほっほっほ、生憎私には魔法の才があまりないのですわい、だから代わりに知恵を付けた」
「――そうか、そうは見えないけどね?」
ヴィーネスがミュールとプランがいるとはいえ、あっさりと国家運営を任せた理由がはっきりわかった、森妖神族 以外にもこんな化け物がいるなんてね。
「ほっほっほ、ご冗談を」
「なら戦わないのかい?」
「ほっほっほ、ご冗談を」
先程と同じ言葉だが込められた殺気が違いすぎる。
イドリは穏やかな表情から鬼の形相へとその表情を変化させる。
「ヴィーネス様の国を荒らそうとする輩を野放しにするわけがないでしょう」
額に血管を浮かべ、あまりの怒りのせいか魔力が溢れ出ている。
「漏れてるよ」
「あっ、これは、はしたない姿を見せてしまいましたな」
また穏やかな表情に戻ったイドリはほっほっほと笑う。
「それでは私はそろそろ失礼しますわい」
そう言っていイドリはアイミスの前から姿を消した。
「これは安泰そうだね」
誰もいなくなって、苦笑いしながらアイミスは独り言をつぶやく。
ご拝読ありがとうございます!!
まだまだ続きますので今後ともよろしくお願いします!!
次回はアミィの収穫の儀とついに魔物vs森妖精族の戦争が開幕します!




