英雄の師匠との修行
誤字脱字があるかもしれません、ご了承ください。
やっと書きたかった部分に入れたー。
英雄と少女は近くの森の開けた場所に来た。
「炎弾ァア!!」
そう叫ぶ少女の右腕から炎の弾が射出される。
(綺麗な炎弾だねぇ…)
今年で齢六十五歳になるアイミスは、大きめの切り株に腰をかけながら目の前の少女の炎弾に感心していた。
(あたしがここまでの炎弾を打てるようになったのは二十歳半ばくらいの頃だったねぇ)
そう思い目の前の齢十一歳の少女が放つ魔法に心を奪われていた。
「あんた、連続で炎弾を打てないかい?」
「出来るよ、
炎弾!炎弾!炎弾!炎弾ァァァアア!!」
(ほう…)
これまたアイミスは感心していた、炎弾を連続で出せる、これだけでも十分に評価される技量だ。
さらにこの少女の炎弾は一つ一つの完成度が高すぎる。その火力、範囲はもはや通常の炎弾を遥かに凌ぐものになっていた。
「ふぅ……どう?私の炎弾」
「――正直驚いたよ、都市の魔法学園なら特待生で入学してもおかしくないレベルだよ」
「――?そっか」
魔法学園の例えが分かりずらかったのか、少女は微妙な顔で返事をした。
「そんな微妙な顔しないでおくれ、よくここまでの炎弾を打てるようになるまで一人で頑張ったね」
「うん!」
憧れた英雄からの賞賛に少女は年相応の万遍の笑みで答えた。
(やっぱりまだまだ子供だねぇ)
アイミスもニコリと笑い少女を撫でる。
気持ちよさそうに少女が目を細める。
「さてと、今度はあたしの番だね、ちょっと離れて見てな」
少女が離れたのを見て魔法を放つ準備をする。
「炎弾」
アイミスがそう唱えた。
洗練されたその魔法はもはや崇高な芸術作品の域に達していた、少女は目の前の魔法の頂きにただただ感動していた。
「――凄いね、やっぱり」
「あんたも直ぐにこのくらい出来るようになるさ、そう言えば、まだ返事を聞いてなかったね」
「私に魔法を教えさせてくれないかい?」
「うん、よろしくね!」
アイミスと少女は村に挨拶をしてからまた旅に出た。
「そう言えば、まだあんたの名前を聞いていなかったねぇ。あんた、名前は?」
「――ない」
「――すまない、嫌なことを聞いたねぇ」
「――いいよ、別に」
アイミスはそれ以上の詮索はしてこない、でもアイミスになら言ってもいいかな。
「私はね、エリゼリア家の三女だったんだよ、もう捨てた名前だけどたしか、アウラ=エリゼリア、だったかな。」
深い悲しみと憎しみの炎が少女の紅い目に揺らめく。
それから色々聞いた|。
炎弾しか使えなくて捨てられたこと、毎日修行を行っていること、常に命の危険がある森での生活のこと、過酷すぎる少女の歩んできた道に、気がつけばアイミスは少女を優しく抱きしめていた。
「それでも名前が無いってのは不憫だろ?あたしにつけさせてくれないかい?」
アイミスの胸にうずくまりながら少女は頷く。
「あんたの名前は…そうだねぇ…あたしのアイミスからとって…」
「アミィ」
「アミィ=マードレックってのでどうだい?」
胸にうずくまっていた少女は、ニヤニヤしてる顔を見られたくないのか、顔をうずくめたまま返事をした。
アイミスとの修行がスタートした。
「よし、今日はこの辺で野営するよ」
「あいよぉ〜」
自分の気の抜けた返事が遠く聞こえる。
クタクタだ、朝から日課の筋トレ、スタミナ作りに二十キロのランニング、刻印魔法の勉強、そして炎弾、ここまではいつも通りだった、ここでいつもなら狩にいって実戦の練習と食材の調達をするのだが…
「あんたは確かに炎弾しか使えないがあんたのその炎弾は既に一流だよ、まだまだ伸びしろがあるけどね」
「そこでだ、あんたの炎弾をより生かせるように体術、武術、剣術の練習をしてもらうよ、幸いにも筋トレとランニングで基礎体力は出来てるようだしね」
とのことだ、これが本当にしんどかった。
まず、武術では型の練習だ。
正拳突きは足の指の関節から足首、膝、腰の回転力、拳の回転力、全て関節での運動を連動させる動きを叩き込まれた。
剣術では武術同様で関節の連動で生まれた力を刀の遠心力と合わせる動きを体に叩き込まれた。
体術では武術と剣術を最大限に生かすために優れた体幹作りと足の運び方、それから敵の死角を見つける方法など様々なことを教えられた。
「どんなもんかあたしの剣術を1回見てみるといい。」
そう言って軽く構えて振るったアイミスの剣は直径二メートルはあるであろう大木を真っ二つに切り裂いた。
「――ふぅ…現役のときなら剣を使わなくても切れたんだけどね……」
いやいや、凄すぎるでしょ、この人。
「あんたの集中力なら今のあたしぐらいならすぐに超えれるさ」
「……」
「なんだい、何か言いたそうじゃない」
「――なんでもないです」
これが今日一日の出来事だった。
腹ぺこだ、アイミスが私が鍛錬している間に取ってきてくれた肉がとても美味しい。
「いい食べっぷりだねぇ、その邪蛇3メートルはあったよ、それに邪蛇の肉なんて都市の魔法学園の生徒達は見ただけで眉をひそめるよ。」
「育ちがいいからなんじゃない?ていうかアイミスってなんで魔法学園のことそんなに詳しいの?」
「少し魔法を教えていた時期があってね」
「――ふーん、そっか」
何でもない会話をした後、明日の修行に向けて交代で焚き火を見守りながら夜を明かす。
ご拝読ありがとうございます。
邪蛇のことを2人は何気なく倒していますが、この世界ではそこそこ強い魔物です。
まだまだ続きますのでよろしくお願いします!