呪い
誤字脱字があるかもしれません、ご了承ください。
朝、起きるとすでにアイミスは起きていて私に支度を促す。
「温泉に行くけどついてくるかい?」
「うん」
まだ眠い目を擦りながら布団からなかなか離れない体を起こす。
「さて、じゃあ行くよ」
アイミスについて行く、まだ日が昇りきっておらず少し肌寒い。
温泉に着く。
朝の温泉は誰もおらず、貸切状態だ。
「あんたのことでずっと疑問に思っていたことを聞いてもいいかい?」
「うん、いいよ」
温泉に浸かりながらアイミスが私に質問を振ってくる。
「あんた、炎弾しか使えないのは才能のせいって言ってたよね?」
「うん、まーね」
「でも、あんたの刻印魔法の才能は、はっきり言って天才だよ、それに刻印魔法と魔法は全く無関係ってわけじゃない、魔法の才能と刻印魔法の才能はある程度比例するはずなんだよ」
「――うん…」
「呪い?とかその類の魔法かもしれない、1度あたしの光焔ノ王で焼き切れるか試さしてくれないかい?」
「うん、いいよー」
「よし、じゃあ早速行くよ」
アイミスは目を閉じて私のお腹に手を当てる。
「解呪炎」
アイミスがカッと目を開けると同時に私の体が金色の炎に包まれる。
が、しかしその炎はすぐになにかに弾かれたように消え失せた。
「――やっぱり呪い、だね…」
「今のが究極魔法?」
「そうだよ、光焔ノ王の中の解呪炎と言ってね、ほとんどの呪いなら断ち切れるんだけどね」
「解呪炎が弾かれたってことは呪いがかけられてるってことだよ、それも私と同等か、それ以上の究極魔法で」
アイミス曰く、究極魔法は、普通の一般の魔法の理から外れるらしく究極魔法が普通の魔法を破ることはあってもその逆はないらしい。
アイミスの究極魔法でも焼き切れないということは私にかけられた呪いは同じく究極魔法でかけられたのだろう。
「うーん、そんな記憶は無いんだけどね」
「だけど解呪炎は弾かれた、もう一度、昔のことをよく思い出してみな」
アイミスの言われた通りに過去の出来事を思い出す。
今まで辛くて思い出そうとしなかったが、お姉ちゃん達と仲良く遊んだ記憶や色々な記憶が溢れてくる。
その中の異変に気づく。
おかしい、記憶の中にいないといけない人物が思い出せない。
今まで深く考えてこなかった6歳までの記憶、私が私であるが故に必要であるはずのある人物の記憶が綺麗に消えている。
記憶が所々で飛んでいるのだ。
「いないといけない人の記憶が…思い出せない…」
「やっぱりか、あんたが炎弾しか使えないのはその記憶から消えた誰かの仕業かもしれない、でも一体誰が何のためにそんな呪いを…」
「うーん…」
とりあえずこれ以上お湯に使っているとのぼせてしまうので温泉から上がる。
「お風呂上がりは牛乳派だったけど、フルーツ牛乳派になりそうだよ」
「ここのフルーツ牛乳は美味しいからね」
アイミスとフルーツ牛乳を堪能する。
「この後はどこかに行くの?」
「あぁ、少し王宮に行くよ、そこで宴もある」
「えぇ…王宮?」
聞けばアイミスはエルメルスの皇帝ヴィーネス=エル=エルメルスと旧友なのだそうだ。
「へぇ、すごい人脈だね」
「まーね」
皇帝ヴィーネス=エル=エルメルス、小さい時に聞いたことがある、世界を回す側の者、この世界で絶対に敵対してはならない者の1つ。
「ヴィーならその呪いについて何か知ってるかもしれない」
愛称で呼ぶくらいには親しいようだ。
「ていう訳だから、今から王宮に行くよ」
「うん」
王宮の入口に着くと巨大な門の前に何人かの森妖精族の門番が立っていた。
「アイミス=マードレックだ、話は皇帝に通してある、ここを通してくれ」
そう言いながら皇帝ヴィーネスの直筆の招待状を見せる。
「はっ!アイミス=マードレック様!お通りください!」
門番は招待状を確認するや否や一段と気を引き締め、敬礼する。
「大きいね」
中に入ると小さな村なら丸々入りそうなほど大きな庭園が広がっていた。
「エルメルスは世界でも有数の大国だからね」
アイミスと庭園を少し見学していると前から数人の森妖精族がやってくる。
歩き方や筋肉の付き方を見る限り全員相当の手練だ。
「アイミス、とか言ったな?そいつが私たちよりも強いって言ってたガキか?」
つり目美人の森妖精族が私の前に立つ。
「アイミス、この人知り合い?」
威嚇する様に私の前に立つ森妖精族のことを見上げながらアイミスに尋ねる。
「あぁ、知り合いだよ!!」
答えたのはアイミスではなく、目の前にいた森妖精族と風魔法だった。
咄嗟に防御したので怪我はないが勢いで後ろに吹き飛ばされる。
「いてて、急になに?」
突然のことに驚いて何が起きたのかわからなかった。
だけど――
「お前、何してんだい?」
アイミスが怒っていることだけはハッキリわかった。
「こいつが私達より強いんだろ?だから試してやったんだよ!」
「はぁ……だから三下なんだよ、とりあえず頭下げな、それで許してやる」
お互いが譲らない、睨み合いが始まる。
「そこまでだ」
透き通った声が聞こえる、声の方向に視線を向けると全てを見通すような翡翠色の目と綺麗な銀髪の美しすぎる森妖精族とその従者と思わしき、これまた美人な森妖精族が立っていた。
「彼女は私の大切な友人だ、控えろ」
その女性が言葉を放つだけで身動きが取れなくなる。
「こ、皇帝陛下!?」
少し裏返った声を放ちながらつり目森妖精族は瞬時に皇帝に膝をおり頭を下げる。
それを気にもとめずに皇帝陛下が話しかけてくる。
「此度は私の近衛兵が無礼を働いたようだな、すまなかった」
そういって、皇帝と呼ばれた美女が私に頭を下げる。
「いけません!皇帝陛下が人間ごときに頭を下げるなど!」
「黙れ」
つり目森妖精族の仲間らしき中の1人が 皇帝に具申するとそれを圧倒的な覇気と言霊で黙らせる。
「アイミス、アミィ、こちらでゆっくり話し合おう」
そう言って王宮の建物の中に案内される。
「貴様らの処分は追って知らせる」
「しかし…いえ、分かりました」
つり目森妖精族は下唇を噛み締めながら建物の中に消えていく皇帝達を見送った。
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