魔物層
誤字脱字があるかもしれません、ご了承ください。
「一気に抜けるよ!」
「うん!」
B級~A級の魔物の群れに囲まれている、
ここは魔物層と言われ魔素が濃く強力な魔物が多数発生する地帯だ。
アイミスと私で魔物を蹴散らす、魔物の群れと群れがぶつかり合って既に混戦状態を作っている。
あちこちで群れ同士が争っているのでひとつの混戦を避けてもまた違う混戦にぶつかってしまう、混戦を抜けて進むしかないのだ。
「炎弾ァ!」
進行方向に立ちはだかる敵を焼き払う。
「炎弾」
アイミスがまるで私に手本を見せるように、魅せるように、炎弾を放つ。
「おかしいね」
アイミスが眉をひそめながら呟く。
「どうしたの?」
「――いや、なんでもないよ、私が先導する、少しペースをあげるよ」
「――うん」
アイミスが立ちはだかる魔物を蹴散らしながら進む。
しばらくして魔物層を抜ける。
「――おかしい……」
魔物層を抜けてしばらくするとまた新たな魔物層が現れる。
「魔物層の魔物達が何かに怯えるように混乱している―――っ!?」
前を走っていたアイミスが立ち止まり驚愕に目を見開いている。
「――これは一体……」
そこには小さな村があったのだろう、ボロボロの廃屋と荒らされた通路、そして……
「これは……森妖精族の遺体……」
そこには無数の男性の森妖精族遺体が転がっていた、腹を裂かれたもの、首を切られているもの、様々な方法で惨殺されている。
「……ここがエルメルス、って訳ではないよね?」
「あぁ、この村は確かに森妖精族が住んでいたが、エルメルスでは無いよ」
「――誰がやったんだろう」
目の前の光景に激しい憤りを感じる、と次の瞬間
「――っ!?」
アイミスが咄嗟に体を反らす。
アイミスの頭があった位置に高速で何かが通る。
その何かはアイミスの後方にあった木に当たると爆発と共に辺りの辺り一面の木々を完全に薙ぎ払った。
「この攻撃に反応するとは、流石は英雄アイミスですねぇ」
「――っ!?お前は……魔王アルス軍の幹部の生き残りの……フィットレンか?」
魔王アルス、かつての対戦でアイミスが討った魔王の名だ。
「えぇ、いかにも、私はフィットレンですよ」
そう名乗った男は続ける。
「――目的はなんだ…?」
アイミスが鋭い視線でフィットレンを刺す。
「おぉ、怖いですねぇ、私の目的?そうですねぇ、強いて言うならば、復讐、ですかねぇ」
「――あたしはお前と争う気は無い、失せろ」
「あくまで永久停戦、不可侵条約を守るおつもりですか、それなら――」
「あなたを戦場に無理矢理にでも引きずり込みますよ、どんな手を使ってでもね――」
「例えばこんなのはどうでしょう、ここの村みたいにエルメルスを滅ぼします」
「冗談はよしな、あんた程度じゃエルメルスは落とせないよ」
「確かに私だけじゃ無理でしょう、私だけならね?」
「先程の魔物層、あの魔物全て押し寄せれば果たして、どうなるでしょうかねぇ?」
「――まさかお前はあの魔物達を支配するすべを持っている、とでも言いたいのかい?」
「おっと、お喋りが過ぎました、近いうちにまた会いに来ます、それでは」
男は目くらましの魔法を使うとその場から消え失せた。
「アイミス……」
「済まないねアミィ、戦争になるよ」
そこには美しい緑が建物と調和し幻想的な風景を作っていた、街を歩く森妖精族の整った容姿が相まって、ここが天国と言われても信じてしまいそうな、そんな幻想の都だ。
「ここが森妖精族の都 エルメルスだよ」
「綺麗な所だね、それにしても女性が多いのは気の所為?」
「気の所為じゃないよ、女性が多いって言うよりかは女性しかいないってのが正しいよ、森妖精族は女性同士でも子を宿すことが出来るんだよ、だから男は肩身が狭くてね、男はエルメルスを出ていくしか無くなるんだ」
「大変なんだね」
「あぁ、あたしは少し知人にさっきことを話してくるよ、あたしが戻ってくるまで、街を観光しておきな」
「あいよー」
さてと、単独行動になった、アイミスに事前に教えてもらった情報には、どうやらここエルメルスは野菜や果物などの植物が美味らしい。
早速近くに店がないか探す。
街に入ってすぐの所に多種多様な果物が置いてある店を発見する。
「おや?人間のお嬢ちゃんかい!? 珍しいねぇ、好きなの食べてみな!」
やけにおばちゃん臭い喋り方の美人店主に話しかけられる、そういえば森妖精族は長命だったんだっけ。
「うん、ありがとう」
リンゴをひとつ頂くことにした、1口噛むとシャクッといい音が広がると同時にリンゴの芳醇な香りが鼻を突き抜ける、そして遅れて果汁が溢れ出てくる。
あっという間にひとつのリンゴを平らげてしまった。
「おいしかった!こんなリンゴ、食べたの初めてだよ!」
「お嬢ちゃん、いい食べっぷりだね!こっちのブドウも食べてみるかい?」
「いいの!?ありがとう!」
プチッと皮を破る感覚と同時に、果汁が飛び出してくる、口にブドウの果汁が広がりなんとも言えない幸福感に満たされる。
「んーー!このブドウも美味い!」
「そうかいそうかい、ありがとねぇ!」
アミィの様子に美人店主も思わず嬉しくなってしまう。
リンゴとブドウ、それにモモを2個ずつ購入して店主に別れを告げる。
まだまだ美味しいものが沢山ありそうだ。
幸いにもお金は修行の時に倒した魔物の素材を売って余裕があるので食べ歩きをすることにする。
ご拝読ありがとうございます!
まだまだ続きますので今後ともよろしくお願いします!




