天才と最弱
誤字脱字があるかもしれません、ご了承ください。
「はぁ…また厄介な魔法が出てきたねぇ」
アイミスが溜息をつき、呟く。
「今の魔法ってなに?エリアお姉ちゃんは手に何も持っていなかったような気がするけど…」
「創成魔法だよ、何も無いところから自分が想像したものを魔力で作り出せる魔法だ、それにあの子が造形したものは完全にあの子のオリジナルだ、つまり創造魔法だ、他にも色々な剣がありそうだね」
創造魔法はそう簡単に作れるものじゃないし、ましてや創成魔法の創造魔法となると相当な難易度になるんだけどね……
と、もう一度ため息を吐きながらアイミスは項垂れる。
「へぇ、お姉ちゃん達、やっぱり凄いんだね」
私がエリゼリア家にいた頃から、 ミリアとエリアは歴史あるエリゼリア家の中でも歴代最高の魔法の才能があると言われていた。
「あぁ…アミィちゃん…アミィちゃん♡」
控え室に戻ったエリアは先に戻っていたミリアの様子を見ながら思う。
ミリアの愛は歪んでいる、そして自分も…
恐らくミリアにも自覚はあるだろう、それでもとめられないのだ。
昔から私達姉妹は仲が良かった、エリゼリア家の厳しい生活から三人でよく協力して乗り切ったものだ。
そんな中、一番歳が下だったアミィは誰よりも穏やかで誰よりも優しかった。
アミィから誕生日にプレゼントされた花のペンダントを握りしめ思う。
「そのペンダント、懐かしいわねぇ…私も貰った時は泣いちゃったわ…」
私の様子を見ていたミリアが、懐かしげに思い出を思い出す。
「さて、そろそろアミィの試合が始まる、行こうか」
「えぇ…行きましょう」
当時からシスコン気質だった二人は引き離されたことによってより愛情が深まり、そして歪んだ。
「それじゃ、行ってくるよ」
「油断するんじゃないよ!」
「アミィさん、頑張ってきてください!」
「応援してますわよ!」
三人に激励されながら入場口へ向かう、相手魔道士は既に到着しているようで、アミィを見ると軽く一礼してくれた。
「本戦2回戦、第1試合の魔道士の入場です!」
1回戦のライラのことがあったため開始から全力で行く。
アイミスの言葉を思い出す。
「あんたの刻印魔法の身体強化:五倍はあたしが保証する、数回見ただけじゃ破られないよ、もちろんあんたの姉達にもね」
「あんたの魔法、見せてきてやりな!」
「それでは本戦2回戦、第1試合――」
もっと自分の力に自信を持っていいと、憧れの人から言われた、それだけで心が踊る
体が軽い、迷いはもうない。
「始めっ!」
最初から私の全力をぶつける!
「身体強化:五倍ぉぉ!! 」
開始と同時に全力で敵の懐に潜る、
鍛え上げられた肉体と、関節の練度、強靭な体幹、体得し始めた魔力循環、そして身体強化:五倍、その全てが噛み合い神速の、不可避の一撃が繰り出される。
敵が防御魔法を展開させる前に圧倒的なスピードとパワーでねじ伏せた。
「――ふぅ……まだまだアイミスの早さには追いつけないね」
相手魔道士は力無く地に伏せる。
会場が静寂に包まれる、観客の大多数が目で追えなかったのだ。
退場するとミリアお姉ちゃんとエリアお姉ちゃんが待ち伏せしていた。
「アミィ、驚いたよ!凄いじゃないか!」
「アミィちゃん、しっかり見てたわよぉ♡凄いわぁ♡」
近づいてくる二人を手で制し、二人の間を通ったあと、後ろに振り返り真剣な眼差しで告げる。
「これが私の、いや、私達の魔法だよ、お姉ちゃん達には悪いけど、優勝は私がいただくよ」
そう言い残し去っていくアミィの背中を見つめながら二人は話す。
「ねぇ、エリア」
「なんだい?」
「私達が思ってる以上にアミィちゃんは強い子なのかもしれないわね」
「――っ!?そうだね」
(驚いたね、ミリアのこんな表情は何年ぶりに見るだろうか)
アミィに触発されたのか、ミリアはいつもアミィに向ける♡型の視線ではなく、一流の魔道士としての真剣な眼差しをしていた。
「私たちも全力で応えるとしよう」
「そうね」
エリゼリア家の、歴代最高の二人の魔道士が、元エリゼリア家の、歴代最弱の魔道士を認めたのだ。
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