表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

あの娘③

カッカッカッカッと一方的なリズムが流れている。それに反応している人もいれば、自分の事に集中している人もいる。


「………ん………ぐぅ………」


かと思えば、既に板書を諦め睡魔と戦っている人もいる。


「はい、時間です。後ろからプリント集めてきて下さい」


その硬い声で、意識が戻る。あるぇ………?また寝てた?真っ白なプリントを見つめ、うーんと考える。とりあえず名前と最初の空白だけ埋めて羽希ちゃんに回す。私のプリントを見た彼女が


「………丘野ちゃん、寝てたでしょ」


「ん⁈いや、寝てはないよ?うとうとはしてたけど………」


「………プリント見ればバレバレ」


「うっ………すんません………。だって眠いんだもん………睡魔に抗える人なんていないもん………」


言い訳っぽくなってしまった。いけないいけない。ふと視線をずらすと、佳奈と目があった。にやにやしている。あんにゃろう、さては笑ってたな?


「はい、次の人教科書152ページから読んで下さい」


先生が私を見ながら言ったので、慌てて読み始めた。



————————————


その頃、隣のクラス1ーDでは、数学の授業をやっていた。一人の少女が黒板に公式を書いている。ぱっつんに切った前髪は驚くほど真っ直ぐにに揃えられ、ボブショートの髪は美しく整えられている。病的な白い肌は、教師の窓から入ってくる紫外線を嫌そうに受けて反射している。つま先を伸ばしつつカリカリと問題を解く少女——左右田光里(そうだひかり)は大きな目をめいっぱい開いて最後の√を書いた。











電車の中でタンポポの綿毛のみを見ました。種は無事地上に降りたのでしょうか………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ