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またこの桜の木の下で

作者: ろりぱん

 小さい頃の自慢話といえば皆モテたとか、有名人に会ったとか、勉強ができたとか、そういう話が出るだろう。俺からしたらそんな話はくだらない、そこで軽く俺の小さかった頃の話をしよう。




 小さい頃の俺はごく普通の男の子だった。唯一違う点があるとするなら、幽霊や妖怪といった存在を信じていなかった事だろう。しかし、俺は1人の少女いや妖精のような子に出会ってしまった。その時の俺は大きい桜が植えられている近所の公園で遊んでいた。その桜の木の下にその子はいたのだ。その子はとても綺麗だった。その時の俺はどうかしてたのかその子に喋りかけたのだ。


「君はこんな所で何をしてるの?」


「私はこの木を見てるの、知ってる? この木は何10年も前からここで生きてるのよ」


「そうなんだ」


「あとね、この木は昔から幸せを呼ぶ木としてらここに訪れる人に幸せを運ぶんだって」


 小さい頃の俺はその言葉のあまり意味を理解していなかった。でもその子が本気で言っている事だけは分かった。そしてその子と木の事について夕方まで話していた。そして別れ際にその子は言ったのだ。


「この木の下に私達はきっと導かれ合う」




 そして俺はその時をずっと待っていた。毎年、桜の咲く時期になると俺はその公園まで行ってあの子が居ないか探した。そしてその子に会うこともなく10年がたった。それが今だ。


「今年も居ない」


 高校生になる春になってもあの子の言葉を信じて、今日も公園に来てみたが案の定あの子はいない、冷静に考えるとあの子が遊びで言った可能性も十分ある。でも俺は諦めて居なかった。そう俺はあの子に恋をしてしまったのだ。そして高校に入る今も長々と初恋を引きずってしまっている。これが他人の話であるのなら確実に引くだろう、簡単に言うとまあそういう事だ。でもその初恋も今日まで、今日からは高校で可愛い子を見つけるんだ! でもその前に一つ問題がある。まさに今、入学式に遅刻しそうなのである。


「はぁ…はぁ…はぁ…」


 今の時間は8時57分入学式開始まで後3分よしギリ間に合う次の信号さえ渡れば……その時だった。数十メートル先にある信号が黄色に変わったのだ。


「終わった」


 入学式から遅刻なんて……「バイバイ俺の高校生活」そう思って走るのを止めようとした時、


「ちょっとすいません通ります!」


 同じ学校の制服を着た女性が俺の横をダッシュで通り過ぎた。まだ諦めてない人もいるんだ。俺はまた走り出したそして何とかギリギリ間に合うことも無く、入学式初日から先生に怒られた。先程の女性も新入生だったらしく一緒に怒られた。


「入学初日から怒られちゃったね」


「そ、そうだね」


 いきなり話し掛けられてびっくりしたが、それより女性がものすごく可愛かった。変に好感度を下げない様に無難な返事をしたが、正直好感度は可視化出来ないのでどう相手に捉えられたかは分からなかった。そして無事に入学式に参加でき校長や生徒会長の話を終え、各クラス教室に行った。


「それじゃあ、それぞれ自己紹介をしてもらうぞ。まず私からしよう、私は新島 静(にいじま しず)担当科目は理科だ。質問は受け付けん以上」


 と言った風に自己紹介が始まった。俺の番までは少し時間がある、取り敢えず名前と出身中学、得意な教科辺りをいえば何とかなるだろう後は地味にならないように元気に。そう考えていると俺の番が来た。


斎藤 拓真(さいとう たくま)です、○△中学出身で得意な教科は社会です。よろしくお願いします。」


 何とか切り抜けた。後はゆっくり他の人の自己紹介でも聞いておこう。そう言えば後ろはどんな人だろう、振り向くとそこに居たのは先程の女性だった。


桜木 木葉(さくらぎ このは)です、✕□中学で好きな食べ物はイチゴです、みんなと仲良くなりたいです。よろしくお願いします。」


 彼女は明らかに周りからの視線を独占していた。自己紹介をしているからだけではなく彼女の容姿がとても整っているからだ。その美貌には、男性だけではなく、クラスの女子までも釘付けになっていた。そしてなぜだか分からないが俺はその桜木さんに話かけられた。


「さっきもあった人だよね?私、桜木 木葉それで君は確か斎藤くんだったよね?」


「はい、斎藤 拓真です。」


「硬いな〜、同級生なんだからタメ口で喋ろうよ」


「うん、桜木さん?」


「何で疑問形? 取り敢えずよろしく」


 たった数十秒の会話だったが物凄く長い時間に感じた。そしてクラスの男子からの嫉妬の目線がとてつもなく痛い、その後も嫉妬の目線に耐えて、やっと下校の時間になった。


「明日から普通に授業あるから忘れ物するなよ」


 先生が注意喚起をしたが聞いていたのはクラスの4割ほどだった後の6割程は桜木さんの方に群がっていた。困っている桜木さんを横目で流しつつ教室を出ようとした時1人の男が話しかけてきた。


「拓真くん君に1つ聞きたいことがある!」


「な、なに?」


「ズバリどうして桜木さんと仲良く喋っていたのか教えてもらおう」


「普通に席が近いからだろ?」


「え、そうなの?付き合ってるとかじゃなくて」


「付き合ってるも何も今日初めて会った。」


 勘違いされていたようだ。というかあの状況で付き合ってると勘違いするのは少し早とちりにも程がある。


「そういうことなら俺とお前は今日から友達だな俺は山田 太郎だよろしく!」


「宜しくな、山田」


「早速で悪いが明日桜木さんに彼氏の有無と好きなタイプを聞いてくれ」


「流石にそれは早速すぎるだろ」


「というわけで宜しくな拓真くん」


 少し強引に任されたが、彼氏の有無は個人的にも気になるので明日聞こうそう思い、今度こそ教室を出て靴を履き変え校門へ向かおうとすると後ろから誰かに呼ばれた。


「斎藤くん、ちょっと待ってー、」


 その声の主は桜木さんだった。教室から急いで来たのか少し息切れしいてる俺に何か用でもあるのだろうか、


「一緒に帰らない? 私、進学と同時におばあちゃんの家から通うようになったからまだ道覚えてなくて」


「いいよなんなら家まで送ろうか?」


「ホント!ありがとう助かるよ」


 という不思議な事が起き、俺の知る中で学校一の美少女桜木さんと今一緒に帰っている途中だ。会話がないのでなにか話題を探しているとふと山田との話を思い出した


「桜木さんは彼氏とかいるの?」


「え? 私、居ないよ全然モテないし」


「そうなんだ」


「でもね約束をしてる人ならいるよ」


「約束ってなn」


「危ない!」


 急に手を掴まれ引っ張られた。何が起きたのかは分からないが、桜木さんは少し怒っているように見えた。


「赤信号だよ、危うく引かれるところだったよ」


「あ、ホントだごめん」


「分かったならよろしい」


 桜木さんとの会話に夢中で全く気づかなかった。それよりさっき言っていた約束てどんな内容だろう、そんなことを考えていると信号は青に変わり桜木さんは何事も無かったかのように歩き出した。


「今度は私から斎藤くんは彼女とかいるの?」


「出来たことないです」


「斎藤くんモテそうなのに」


 なんだこれはドキドキするぞ、いや待て女子の言うかっこいいやらモテそうはほとんど心から思ってない、今回はそれだ。お世辞だ。心遣いだ。落ち着くんだ俺、まず話をそらそう。


「そういや何で桜木さんはこの高校選んだの?」


「私ね、あの公園の桜の木が好きなの、そこで毎日通学時に見れるようにこの高校にしたんだ。」


「そうなんだ。」


「あ、もうここら辺で大丈夫だよまた明日」


 彼女はそう言って走り出した。今日はなんか色々と内容の濃い1日だった。家に帰って俺は桜の木の女の子は今どうしてるのだろうふと、そんな疑問が頭をよぎった。今朝、未練を断ち切ったはずなのにあの子の事が頭から離れない桜木さんという美少女と一緒にいながらも心のどこかではあの子のことを考えていた。あの子は多分、今もこの世界のどこかで生きているだろう。俺はとてつもなく低い確率に挑んでいたのだ。バカバカしい、そんなんだったら諦めればいいだろう。しかし、それが出来ない俺が憎い、俺はその日そんな感情の中眠りについた。




 次の日も学校に行く途中に公園によったが、やっぱりあの子が居ないそして歩み始めようとした時、後ろから桜木さんが走ってきた。


「朝会うなんて、偶然だね」


「そうだね」


 走ってきたのがあの子じゃ無かったのをどこか悲しんでいる自分がいた。でもそれが悟られぬよう適当に世間話を始めた。


「桜木さんは勉強とかできるの?」


「少し厳しいかなこの高校もぎりぎり受かったし」


「てっきりバリバリできるのかと思ってた。」


「で、でも体育なら自信があるよ中学の時もずっと5だったんだよ」


 そんな感じで世間話をしているとあっという間に学校についた。学校につくとすぐ山田に捕まった。多分、桜木さんの件だろう。


「お前今日桜木さんと一緒に登校してたよな羨ましい」


「たまたま途中で会っただけだよ」


「まあそんなことは今はどうでもいい。で、どうだった?」


「桜木さんは現在彼氏なしていうのは聞けたけど、好きなタイプまでは聞けなかった。」


「いや、でかしたぞ拓真くん」


 そんなくだらないことを喋っているとチャイムがなり、朝のホームルームが始まった。


「はい、おはよう今日は時間割通り、変更なしだ以上」


 案外あっさりと朝のホームルームは終わった。新島先生は意外と面倒くさがりなのかもしれない。俺は1時間目の準備をして、持ってきていた本をカバンから取り出し、読み始めたするとスグに先生が来て授業が始まった。授業が始まって10分ほどで異変を感じた後ろから「グーグー」と寝息のようなものが聞こえてくるのだ。恐る恐る振り返ると桜木さんが寝ていた。先生も気づいたのか、大きな声で名前を呼び桜木さんを起こした。桜木さんはやらかしたと苦笑いをしていたが、クラスのみんなはその姿に見惚れていた。そのあとの授業では桜木さんが寝ることなく昼休みになった。俺は山田と一緒にお昼を食べていた。


「それにしても桜木さん可愛すぎるよな、もうこの世のものとは思えないぜお前もそう思うだろ?」


「あぁそうだな、それより気になっていたんだがお前の名前」


「皆まで言うな言いたいことはわかる、何故そんな平凡な名前なんだてことだろ? 簡単な事さ変な風に育って欲しくない、そんな両親の思いからつけられた名前だ」


「お、おう」


 どうやらこいつは両親の願いに応えられなかったようだ。ちいなさ疑問が解けてスッキリした。


「それでお前はよ桜木さんとなんかあっただろ」


「そんなこと1ミリもないな」


「嘘つけ一、緒に学校来たり帰ったりする仲だろ!」


「それはたまたまで、てか何でお前がそんなこと知ってんだよ!」


「俺の情報網を舐めるなよ」


 俺はどうやら厄介なやつと友達になったみたいだ。その後、言及をされ続けそれだけで昼休みが終わった。そして5時間目体育の時間になった。男女別々の更衣室に分かれ着替えを始めた。それにしても筋肉を自慢してる奴らがウザイて言うか普通に山田も混ざってるしそろそろあいつと縁切ろうかな、そんなことを考えながら着替えを終え運動場に出た。どうやら今日は体力測定をするようだ。正直俺は体育の内容なんてどうでもよかった何故なら………


「すげーぞ、斎藤て奴全部の記録が平均点と一緒だ!」


 そう俺は運動能力が圧倒的普通だからだ。その後も続々と平均点をたたき出し、男子の体力測定が終わった。終わった男子達は女子の体育を見ているようだ。と言っても男子のほとんどは桜木さんを見ていた。彼女は言っていた通り、物凄い運動能力をしていた。しかもどれも見るものを魅了させていた。そんなこんなで5時間目が終わりその日はもう帰るだけになった。


「斎藤くんお疲れ」


「桜木さんすごかったね」


「でももうちょっと記録上げられたかな」


 桜木さんはすごい記録を叩き出しても尚、上を見ていた。正直尊敬の念を抱いてしまった。そんなことを考えていると先生が教室に入ってきて明日の連絡事だけ言って教室を出ていった。帰ろうとカバンを持った時、桜井さんから話しかけてきた。


「斎藤くん今日も一緒に帰っていいかな?」


 俺が「はい」と応えようと来た時、俺と桜木さんの間に山田が入ってきた


「桜井さんごめんね、今日拓真くんと遊ぶ約束してたんだ」


「そうだったの?ごめんね」


 もちろん俺はそんな約束なんてしていない、しかし桜木さんはそれを聞くとさっさと帰って行った。


「悪いな拓真くん、お前にだけ甘い蜜は吸わせないぜ」


「そうか、じゃあ俺帰るから」


「待て待て!まっすぐ帰るより寄り道しようぜ」


「やだ、めんどくさい」


「ゲーセンならどうだ?」


「めんどい」


 そんな感じでループが始まった。だが途中で俺が折れ一緒にゲーセンに行くことになった。


「ゲーセンに来たけど山田何かしたいゲームでもあるのか?」


「全然ない、適当にUFOキャッチャーでもやろうぜ」


「それだ」


 山田の提案に乗りUFOキャッチャーをする事になった。しかし山田は何回やっても景品が取れなかった。


「お前これやってみろよ無理ゲーだぞ」


「仕方ないな」


 お金を入れ、まずアームを横に動かす、程よい場所で止め今度は縦に動かす横からもしっかりと確認し、いざ勝負! アームが開き、下がる、見事に景品を捉えたがアームが景品を撫でただけだった


「あるあるだな」


「よし帰るか」


「待て拓真、今度はこっちのお菓子の山はどうだ」


「分かった3回で仕留めてやろう」


 テンションがおかしくなった俺は山田に言われた通りにお菓子の山のUFOキャッチャーの代の前に立った。先程と同じようにアームをしっかりと合わせる、先程と違いアームはしっかりとお菓子を掴み景品口に落ちた。


「1個だけって拓真くんもしかして下手?」


「さっきの奴で3000円ほど使ったお前には言われたくない」


「ならこれでお前より取ってやるよ」


 今度は山田がお金を入れた。山積みになっているお菓子の下の方をアームが掴んだ。それが抜けたことにより上のお菓子が崩れていく確実に20個以上は取れた。


「俺の勝ちだな」


「負けた、」


 特に罰ゲームなどは決めていなかったが悔しかった。そんなこんなで遊んでると日が暮れた。


「そろそろ帰るか」


「ちょっと山田いいか?」


「お金以外の話ならいいぞ」


「俺明日、桜木さんに告白しようと思う」


「いきなりだな、でもお前出来るのか?」


「分からない」


 俺は多分あの子への感情を桜木さんに告白する事で紛らわそうとしているのかも知れない、でも振られる可能性が高い。でも今はそれでいいのかもしれない。


「まぁ、頑張れ応援してるぞ」


「棒読みだな」


「細かいことは気にすんなそんじゃ明日な」




 山田と別れ家に帰った。その日は異様に早く寝た。そのせいで次の日は逆に早く起きすぎた。そして今になって告白に対する疑問が浮かび上がってきた。俺は振られても凹まないでいれるのだろうか、そんなことを考えていてもどうにもならないと思い家を出た。学校に行く途中に桜木さんとは会わなかった。学校に入ると山田がものすごい勢いで走ってきた。


「お前本当に今日告白するんだよな?」


「帰りにする予定だ」


「なんて言って告白するのか決めてんのか?」


「俺を誰だと思っている」


「そうか、じゃあ頑張れよな」


 適当に流したがなんて言おうかまだひとつも考えていない、もうこうなったら当たって砕けろだ。そう決め席に座るとちょうどチャイムがなった。今日は授業の内容が全く頭に入ってこない、と言うよりも気が付けば授業が終わっていた。そんなことをあと6回も繰り返し、あっという間に下校時間になっていた。


「斎藤くん今日は一緒に帰れる?」


「大丈夫だよ」


 こちらから声をかけようとしたが向こうから声をかけてきた。普通に返せただろうか? 緊張してなにも考えられない。取り敢えず桜木さんと一緒に歩き学校を出た。そして公園まで来た、公園には誰もいない今がチャンス!


「あ、あの桜木さん!」


「何?」


「好きです。付き合ってください」


 そう言って相手の返事を待つ、その間は約5秒ほどしかなかったが、ものすごく長く感じた。そして桜木さんが口を開いた


「ごめんなさい私………」


 振られた、そこまで聞いて俺はそう悟った。その後のことはあまり聞いていなかったが、約束が何とかて言ってたような気がする。そして桜木さんは帰って行った。俺は家まで死人ような感じで帰った。家に帰ると自分の部屋に入った。桜木さんに振られたショックとあの子に会えない悲しさが合わさってより嫌な感情が湧いてくる、俺は次の日学校を休んだ。そして土曜日、日曜日と部屋に引きこもった。


「拓真、晩御飯よ」


 母が呼ぶが部屋を出る気がしない外は絶望の種で満ち溢れてる。こんなに苦しむならずっと部屋に引きこもっている方がマシだ。そして月曜、火曜と学校を休んだ。しかし水曜日に母と父に説得されいやいや学校に行くことになった。


「行ってらっしゃい」


 母の言葉に返事もせず家を出た。まだ高校に入って1週間ほどで学校に行きたくなるなるとは思はなかった。そんな風なことを考えながら歩いているとつい、いつもの癖で桜の公園に来てしまった。しかし桜の木の下をよく見ると誰かが立っていた。


「あの子かもしれない」


 俺はそう思い走り出した。桜の木の下に居たのは1人の女性だったがこちらに背を向けているせいで顔が見えない、とりあえず声をかけてみよう。


「ここで何をしているんですか?」


「私はこの木を見てるの、知ってる? この木は何十年も前からあって幸せを運ぶ木て呼ばれてるんだって、」


 あの人と同じような言葉を返してきた。やっぱりあの子だ。俺は嬉しくなって心の中でガッツポーズをした。すると女性が振り返ってこう言った。


「言ったでしょ? この木の下に私たちは導かれ合う」


「え?」


 振り返ってきた顔を見ると見覚えのある顔だった。入学式の日一緒に怒られた、同じクラスの美少女。俺が恋していたあの子は桜木さんだったのだ。驚いて固まっている俺に桜木さんはさらに言葉を続けた。


「私と付き合ってください」


 先週振られた人に告白されたという複雑な状況は理解し難いが桜木さんのことだ、あの日の約束を守るためだったのだろう。もちろん答えは………


「こちらこそお願いします」


 こうして俺の色々と複雑な初恋は実ったのであった

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