平凡な夏に起きたひとつの恋
俺は夏休みに入り、友達3人とゲームセンターで遊んでいた。
「ちょっと待ってて俺、両替してくる」
と、森田は両替機のほうへ駆け足で行った。森田は俺の大切な友人で、一緒にいるとすごく楽しい。けど、たまに怖いこと言ったりする。それも森田のいいところだ。
「ふみや~銃ゲーやりに行こ~」
「うん、森田にも伝えてくるよ」
文哉も俺の大切な友人だ。こいつは、成績も優秀であり、スポーツ万能。俺と森田とは真逆何になぜかいつも、つるんでいる。それはそれで楽しいからいいけど。
「たっつあんって銃ゲー得意なの?」
「全然出来ないよ」
俺はなぜか『たっつあん』って呼ばれている。まぁいいけど。俺は成績も悪く、集中力とスタミナがない。自分では『クズ』だと思っている。
チャリンと100円を入れ目の前にあるピストルの形をしたコントローラーを構えて、画面にむけ引き金を引いた。その時、横で同じく文也がやっているのを横目で見ていた。文也は銃を両手で持ち、本来なら銃は肘を曲げないのだが文哉は曲げていて、見るからにおかしな構え方をしていたので、俺と森田は笑ってしまった。
「なんで変な構え方してんだよ」
「絶対、当たんないでしょ」
スコアをみると1320pだった、そのゲーム詳しくはないので高いのかは知らない。
ゲームがやり終え、自分の時計を見ると6時を過ぎていて驚きながらゲームセンターを出た。
「たっつあん~この後どうする?」
森田が俺に聞くと文也が
「悪い、今日はもう帰らないと親に怒られるから」
「そっか、文也の家って厳しいからね。じゃまた連絡するね~」
俺と森田で文也を見送り、そのあと森田が「寄り道して帰らない?」というのでゲームセンターから少し離れた。雑木林にいった。
「森田~なんでここに来たの?」
「だって、カブトムシとかいるかもしれないから」
「小学生かよ」
俺はあきれた顔でそう言った。カブトムシを探しながら雑木林の奥へ入っていった。
辺りは暗くなり、涼しい風が吹くようになった。その時
『怨めしい…』
と、聞こえ。俺は森田に
「森田なんかいった?」
森田は「なんも言ってないよ。てか、もう帰らないと怒られるよ?」と返させ俺と森田は雑木林を出ようとした。その時、俺は何かに足を捕まれ動けなくなった。
「え?」
『怨めしや~』
「ちょっと待って!」
『え?』
なんで、こいつ『え?』とか言ってるの?幽霊とかじゃないの?会話できるのか興味がわいた俺は恐る恐る声をかけた。
「あの、俺怨まれそうなことしました?」
『え?いや~』
そいつは俺の足を離し立ち上がった。白いワンピースは来ていて、顔は髪が長くて見えない、声からわかることはたぶん女性だ。俺はなんかのドッキリなのかと思い聞いてみた。
「あの、これってドッキリですか?」
『ドッキリじゃないです。てか、私人間じゃないです』
何を言っているんだ。その時 女性が自分の足元を指さした。俺は何かと思い女性の足元を見ると、その女性に足がない。足首に赤黒い血のようなものがついている。俺は驚いた。
「え?なんで?足がないの?」
と聞くと
『だから、私。おばけなの』
おばけ?お化けがこの世に存在するなんて信じがたいが、今は落ち着け。
そのおばけはいきなり大きなハサミを出した。俺はその時「自分はもう死ぬ」と思った。
シャキ
おばけは自分の長い前髪を切った。すると、そこには目鼻立ち整っている可愛い女の子がいた。俺はこの時この世で一番可愛いおばけに恋をした