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第六話 恐怖パラドックス



1. 拳闘違いさん


 みんな、少し疑問になったことがある。ちょっとまじめな話に付き合ってもらってもいいかな?


2. 無名の名無しさん

>>1

 さっきの『拳闘士』君、どうした?


3. 拳闘違いさん

 今、ログアウトできないっていう原因不明のバグが起きてるよね?


4. 名のある名無しさん

>>3

 それがどうした?


5. 拳闘違いさん

 各VRMMOには、ゲームオーバーになったときに強制ログアウトさせられるよね?

 ログアウトができない、この状況下はゲームオーバーになればどうなるんだろう?


6. 無名の名無しさん

 …………


7. 名のある名無しさん

 …………


8. 正体不明の名無しさん

 ちょっとみてみたけど確かに気になるな。ちょっと運営に聞いてみるわ。ちょっと待ってみ。


9. 名のある名無しさん

 これってまさか、地雷とかじゃないよな?


10. 無名の名無しさん

 ああ、一度気になったらすごく不安が残る。


11. かまいたちさん

 それは、僕の友達が詳しいよ。ちょっと待ってて。


 せ、先輩!人脈が広い!マジ尊敬します、かっこいい!


12. 逆流の名無しさん

 失礼、それは多分大惨事。

 VRの強制ログアウト機能は、ゲームオーバーの際に引き起こす脳へのショックをなくすための安全装置みたいなもんだから、それができないとなると脳にダメージを少なからず負うと思う。


13. 正体不明の名無しさん

>>12

 12のいうとおり。運営に問い合わせてみたけれどおんなじ様なことを返された。プレイヤーには、待機をしてもらいたいと返事が来た。これから、第1階層を除いた各マップもリセットして再修正を行うらしい。


14. 拳闘違いさん

 デスゲームじゃないけど、それなりにリスクのあるゲームになるね。攻略する?


15. かまいたちさん

 いや、その前にプレイヤーたちの安全のためにゲームオーバーになっても脳にダメージを行かないようにしなきゃいけないんじゃないかな?


16. 逆流の名無しさん

 運営に死亡プレイヤーが一時的に行くエリアを作って、それから再びこの階層に転送するっていうシステムを作るべきだと思う。HPが0にならないようにプレイヤーにHP1以下にならない不死属性を付与してから。


17. 正体不明の名無しさん

 >>16

 おk。早速運営に問い合わせてみる。


18. 拳闘違いさん

 あのう、なんかとんでもないことになってませんか?


19. かまいたちさん

 >>18

 確かにとんでもないけど君のおかげで今後の問題点がいくつか見えてきたよ。ある意味この世界の恩人だね。


20. 逆流の名無しさん

 かまいたち、そろそろ僕らも行こうぜ。


21. かまいたちさん

 そうだ!拳闘違い君、今度一緒にあってみないかい?


22. 拳闘違いさん

 >>21

 是非


23. かまいたちさん

 >>24

 明日の夜もまたこの掲示板を見てくれないかな?そうしたら、僕らのいる宿を教えてあげるよ。


24. 拳闘違いさん

 アイテムを持っていきます。ありがとうございました。


25. 無名の名無しさん

 ┌(┌^o^)┐ホモぉ…


26. 名のある名無しさん

 >>25

 久しぶりに来たと思ったらいきなりなんてことを言いやがるw


 そこまでの書き込みを確認したあとに僕はこの掲示板を閉じた。

 無名の名無しさんをいつか見つけてやりたいところだな。


『みなさん。先ほど、寄せられましたメールより致命的なミスがありましたのでお知らせします』


 いきなりか。多分これから不死属性とかの話をしてちゃんとプレイヤーの安全を確保するのだろう。


『このコンピュータはウイルスによりジャックされました。こちら運営からの操作はほとんど機能しません。プレイヤーの皆さん!このゲームはクリアしない限り終わりません!せめてできることは皆さんの安全をある程度確保することだけです。HP1を残すアンダーシャツと、転送をつけました。我々運営はウイルスの除去と、そして皆さんに死亡時に起こる脳へのダメージを減少から排除に務めます。皆さん、危険は承知ですがどうかこのゲームをクリアしてください。こちらからログアウトできるのは皆さんがクリアした瞬間のみです!お願いします!ですが、『アンダーシャツ』は貫通属性を持つ攻撃には機能しませんので気をつけてください!』


 そして悲痛にも似た運営からの空からの声は途絶えた。おそらく、これからしばらくは運営側から干渉してくることはほとんどない。

 その直後、町のいたるところから悲鳴と泣き声、そして、ゲーマーとして火がついたもの達の雄たけびによって包まれた。

 自分が死ぬかもしれない恐怖、自分が殺されるかもしれない恐怖、そんなものに縛られながらこれからこのゲームをクリアしなければならない。

 2ヶ月生き延びればまずは警察からのコンタクトがあることだろう。まずは、それを待つしかない。

 その2ヶ月間は終わることのない恐怖のパラドックスが続く。

 ずっと、ずっと。

 運営ができることは『アンダーシャツ』と『転送』。『不死属性』は付けられていない。アンダーシャツを着けてくれたのは行幸だ。少なくともこれで、死ぬ可能性は大分減る。だが、マップダメージや状態異常はさすがに防げないだろう。おそらく懸念するべきはそれだ。あと貫通属性。ここから先は、運営とプレイヤーの戦いではない。運営とプレイヤーの共同戦線だ。

 それにしてもどうしてウイルスなんかが急に発生なんかしたんだろう。


―――――


 ここは、運営。

 プレイヤーの安全、システムへの不正アクセスなどさまざまな問題にあたるところだ。今、この運営では大変なことが起こっている。それは、プレイヤーがログアウトできないという謎の深刻なバグが報告されたからだ。

 理由は調べてみるとすぐ分かった。

 それは、データの一部がバグを起こしていたのだ。

 だが、そのバグはかなり厄介でこちらの運営としての機能もそのバグにとらわれて一部の機能は完全に不能になってしまっている。

 プログラムの暴走。言えればこれほど怖いものはない。機械が人間への反逆を起こすというのは昔見た映画みたいだ。実際になってみて思ったことは、味方におけば頼もしく、敵に置けば厄介。攻められやすく、守りにくい。サイバーテロがよく起こるようになったのも分かる気がする。

 まずはこのウイルスを解析しなければ。多分このゲームのラスボスは、このウイルス自体になりうる。

 ウイルスはラスボスの情報を取り入れゲームの機能を犯している。

 後私たちにできるのは、このラスボスへと続くマップの生成のみ、管理者権限を持っていったボスはおそらく妨害をするためにその権限を使い敵を配置してくる。

 私はパソコンのキーボードを高速ではじき目の前の情報を整理していく。

 これから先は私たち(プレイヤーと運営)の戦いだ

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