最終話 再会
あれから一年。
『FPS』は閉鎖……ええと、サービス終了って意味だな。
僕は高校二年生になり、今はネットゲームは一本に絞っている。
終了間際の『FPS』だ。理由は去年の事件がきっかけだ。
今の現在進行度は第八階層。
あれからしばらくVRゲームができなくなり、しばらくは泣き寝入りしていたのだが、何とかトラウマから復活し再びこの世界に降り立ったのが二ヶ月ほど前だ。
第三階層、海エリア。彼女たちを誘わなかったのが全力で悔やまれた。
第四階層、砂漠エリア。年中めっちゃ暑いエリアだ。
第五階層、高原エリア。スタミナの減る量が早く、回復が遅い。本当にリアル志向で何よりである。
第六階層、火山エリア。砂漠エリアに似て、めっちゃ熱いのだが、特定アイテムを摂取しないとHPも減っていくという鬼畜仕様である。というか、昔のゲームで見たことあるぞ。モン○ンとか。
第七階層、ゴーストエリア。まあ、うん。鎌みたいなのがたくさんいると思ってもらうとわかりやすい。
そして第八階層、迷宮エリア。それ自体は何の問題もないただ、エリア自体が巨大なダンジョンになっているだけだ。ただ、構造が複雑な分クリアするべきキーイベントがないという階層だ。
第九階層は雪原エリアは火山と似ている。スタミナが常時減るというものだ。なので特定アイテムを……ってだからモン○ンか!
第十階層は機械エリア。……僕の目的はここだ。
僕はあいつに会いに行っている。
クイナたちを含めた、かつての仲間たちはすでに最後の層まで行っているらしい。
僕だけ出遅れたのだ。
「だからって一人で攻略とかふざけたことをさせてくれるな……」
まあ、レベル的にもテクニック的にも多分大丈夫だろうが。調子は下で取り戻したし、事前情報もばっちりだ。
ノアは、確かに生きているらしい。
権限を運営に還元し、自らが一時的にゲームからログアウトすることでこのゲームとのつながりを一時的に完全に絶ったのだ。
よくわからないがそういうことらしい。
「さて、一年ぶりか……。いやこの世界だと何十倍もの時間が流れてるのか」
一日で約四年。
四年かける三百六十五で……ざっと千三四百年は経っている。
人間の歴史並じゃねえか。
なんてこった。
おばあちゃんとか言うレベルじゃねえ。
ちょっと会いたくなくなってきたな。
歳はとっていないのはわかるんだけど……。
そういうことを考えるとな……。
「まあ、せめてこれが終わる前に彼女にもう一度会っておきたいな」
彼女は生きている。
そう聴いたときは自分の耳を疑った。
聞いたのは緑から。
「ねえねえ! まこと! ノアが生きてるのよ!」
「はぁっ? 何言ってんの?」
「だから、ノアが生きてるんだって!」
「マジでか?」
「マジもマジ大マジ!」
「で? どこで?」
「ええと、最終階層のボス部屋って私は聞いたわ」
「そうか……」
僕は少し考えて、
「分かった。準備してもう一度あの場所へ行く」
「そうこなくっちゃ!」
ということがあり、僕は再びあの世界に降り立つことにした。
ちなみに鎌は、「僕は運営の犬をやめたんだ」と言っていた。
運営の犬というのは運営の思惑に嵌まり、課金をしまくる人のことらしいのだが、このゲームを始めた一部の課金要素のないゲームでは『運営の下についてゲームバランスを操作するプレイヤー』を指すらしい。
なるほど、あのスキルを教えていたのもそれの一環というわけか。
あくまでゲームない通貨しか、使わないわけだから課金にもならない。
なるほど。
僕は仲間たちに会うのが楽しみになっていた。
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あれから、数時間かけてゲームを着実に攻略していき僕は最終階層へ向かうための最後の部屋。
つまり、第九階層火山エリアの最後の部屋。ボス部屋にいる。
第九階層のボスの名前はイフリート。
常時火をまとっているため、水属性の技が有効だ。
まあ、今の僕にとっては関係のないことだが。
「おらおらおらおらおらおら!」
水属性のダメージを与えるアイテムを投げまくる。
そしてパターンにはめる。
「ははははは!」
イフリートは水系のダメージを与えると強制スタンをする。
そして、そのあと火焔球を飛ばしてくるというのはすでに掲示板で確認済みだ。
だが、この水系ダメージをストレージから取り出すスピードよりもダメージでのけぞっている時間のほうが長い。
投擲に関しては、プレイヤーロックオンで誤差が最小限にまで小さくされるため、結果、相手はなすすべもなく死ぬ。
同じアイテムは九十九以上を超えるとまた一つアイテムストレージ欄の使用量が一つ増える。
たとえば、
薬草×99
薬草×17
という風になる。
ここまでたくさんの水系アイテムの取得に何週間かかったことか。
まあいい。とりあえず、相手もあと少しで倒せるし。
「さっさと、くたばれやこらあぁぁぁぁぁぁ!」
そして、現在の僕のステータス。
トウマ Lv.193
攻撃力 999
防御力 874
スタミナ (初期値100) 563
魔法攻撃 204
魔法防御 198
すばやさ 945
魔力 182
器用さ 787
いつぞやのモンスター大量虐殺で手に入れた経験値とステータスだ。
もう、ネタジョブとか、不人気ジョブ関係なしに強い。
魔法防御はもちろん魔法攻撃は神父のサブで手に入れたもの。
ステータスの強さで言えばかなり高ランクに属す。
「これでラスト!」
愛用のトンファーをイフリートに叩きつけ、HPを完全に削る。
僕は、ノアに……ノアたちに会いに行く。
「待ってろ……まだ話足りないことが一杯あるんだから……」
僕の足取りは軽い。
「この一年の話を聞かせてやらないと」
自然と足は速くなる。
「くっそおぉぉぉぉ!タマ、は除いたみんなに早く会いてー!」
僕は最後へと続くワープゾーンを踏んだ。
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そして、少年は仲間と再会する。
END
そのうち制作秘話的なものを投稿するかもしれません。
では、また新作で




