藁人形のお使い
昔々、男が山の中で暮らしていました。
男は山の中でのんびりと狩をしながら暮らしていました。
ある夜、いつものように明日の狩のために火縄銃を磨いておりました。男が火縄を磨き終わるといつものように藁で作った人形に
「今日もありがとうな、お前がいると一人でも寂しくないよ」と言った。
男は山の中で一人で暮らしていたのであまり人と会話をしませんでした。山をいくつか越えたところに町があり遠いいのもあって中々町には行きません。
明くる朝、男はいつものように狩に出ようと布団から起きようとしますが体が動きません。それどころか声すら上手く出ません。
男はどうすればいいのか困り果て置いてある藁人形の方を向いて思いました。
「お前が自由に動けたら山の神様のところへ行って神様にこの動かなくなった体をどうすればいいのか聞いてこれるのに」
するとどうだろう、藁人形が一人でに立ち扉を引きどこかへ走って行きました。
藁人形は男の家を飛び出して、山の神様がいるとされる滝へ走って行きました。
藁人形が滝につくと滝の川の真ん中に大きな岩がありその上に家がありました。小さな岩の上をピョンピョンと跳ねその家へ入るとそこは水の神様の家でした。
水の神様は藁人形を見て何故ここに来たのか尋ねました。事情を知った水の神様は言いました。
「山の神様の家はここからさらに遠いいからちょっと待っててくれ」
すると、水の神様は外へ出て行きすぐに戻ってきました。山の神様を連れてきてくれたのです。
山の神様の手には山に生えている薬草が握られており藁人形に持たせてくれました。
山の神様は言いました。
「いいか、この薬草を町の医者に持って行き医者をその男の元まで連れて行くのだ、そして男の病状を見てもらえ」
藁人形は急いで山を降りようと走り出しましたが川へ落ちてしまいました。急いで水の神様が川から出すと山の神様は藁人形の藁を一本取り出すと小さな船を作りました。
「お前の藁が入っている船だから岩にぶつからずに川を渡れるだろう」
水の神様は指をさしました。
「この川の先にもいくつか滝がある気いつけて行くんだお前が助けたい男が治ったらおら達になんぞ酒でもついでくれろ」
藁人形は船に乗り川を凄い勢いで下って行きました。
するとどうだろう何日もかけて町まで行くはずがたったの数時間で町に着いてしまいました。
藁人形は急いで医者の元へ行き持ってきた薬草を見せました。医者は驚きました。その薬草は滅多に手に入らない貴重な薬草でした。医者は思いました、こんな高価なものを持っている人が病気、急いで藁人形は医者を持ち上げ走って山の中へと行きました。
数時間もすると男の家へ辿り着き籠から降りました。古い家を見ると医者はなんだかガッカリというか裏切られたという顔になり渋々家へ入りました。
医者が家へ入って男を見ると医者の目が変わりました。男苦しそうに寝ている姿を見て昔の親を見ている気持ちになったのだ。
医者は急いで男に薬草を飲ませて数日男の面倒を見ます、藁人形も一生懸命に世話をして男は徐々に回復してきました。
男が元気になると医者は町へと藁人形に乗り戻って行きました。町に着くと藁人形は医者に酒屋はどこかと尋ねました、医者は藁人形を連れて酒屋へ来ると二本のお銚子を買いました。藁人形は一本を持ち帰り、医者はもう一本を家の二つの石の前にお供えしました。
男は元気を取り戻し、早速山へ狩に出かけました。狩から帰ると藁人形が銚子を一本持って帰ってきました。藁人形と男は水の神様が住んでいる家へ歩きました。すると家があったはずのところに祠が建っていました。男は家から持ってきた器に酒を入れました。
すると、急に川の水の流れが一部変わり藁人形が流されてしまいました。男が走って藁人形を追いかけるとそこにも祠がありました。
祠の周りには薬草がたくさん生えておりました。男はその祠にも酒をお供えして家へ帰ると藁人形は動かなくなってしまいました。
男は藁人形の前に器を置き一緒に酒を飲みました。




