【インタールード】第三幕・戦後整理
◆◇◆
こうして――
【第一幕 序章:静かなる残響の夜明け】、
【第二幕 破章:ルドグラッド砦の攻防】に続く、
【第三幕 急章:砦の攻防決着、そしてその先へ】は、
ひとまずの幕を下ろした。
かつて王都を支え、
王国最強にして、人類最強と謳われた剣士――ライザリオン。
彼は五年間の空白の中で、多種の魔物を喰らい、
もはや人の理を超えた無敵の存在として、戦場に戻ってきた。
ロザリーナは、
五年間探し続けた「自分の半分」――兄と再会を果たした。
だが、その再会は救いではなかった。
兄は、確かに彼女を“障害”として認識し、
殺すためだけに刃を向けてきた。
腹から血を流しながら、
彼女が胸に抱いたものは……。
希望か。
絶望か。
あるいは――そのどちらでもない、
感情と呼ぶことすら躊躇われる、
空白のような何かだったのかもしれない。
ルドグラッド砦の最強の矛と盾――
紅の軍神ベニバラ、鉄壁の老将ガルデン。
そして、未来を託された天才少女アズ。
彼らもまた、深い傷を負った。
隠し砦は露呈し、
城壁の崩壊は、もはや時間の問題。
食料も、物資も、余裕はない。
若き王ヴァレンティスは、
千人を超える民を連れ、
「安全な場所」へ辿り着けるのか。
――いやそもそも、この絶望世界に、
そんな場所は残されているのか。
この激戦が続く中――
一人だけ、傷を免れた男がいる。
遊撃隊長ニコル。
彼は王からの密命を胸に、
すでに戦場の“裏側”へと踏み出した。
彼がこれから為そうとしていることは、
――なんなのか。
*
今なお、大陸北部で抗う、
僅かな抵抗の灯火。
仮面の踊り子――ベル・サフィールの兄。
ブルームロアの谷の民、二百を率いる若き王――
レヴァン・サフィール。
そして、
ロザリーナが、
グラの支配する村から救い出した少女の父親とは……。
絶望は続く。
世界は壊れたままだ。
だが――
この物語が描こうとしているのは、
圧倒的な敵に、少しずつ削り潰されていくだけの
悲劇で終わる物語ではない。
最後に笑える場所まで、
――這いつくばってでも、
――引きずってでも、行く。
最初から一つだけ決めていた。
【最後は笑って終わる】――それだけは譲らない。
◇
次章――
シーズンⅠ・最終幕
【第四幕 転章:王の帰還、反撃の足掛かり】
この世界は甘やかしてくれない。
死者は出た。
誰もが傷だらけだ。
神も、世界も、壊れた。
それでも――
誰も間違っていない。
誰も逃げてはいない。
理不尽が、
絶望の上に、さらに絶望を塗り重ねてきたのなら。
――神が背を向けるのなら。
――世界が諦めるのなら。
――正義も英雄も存在しないのなら。
それでいい。
この世界が、
どれだけ残酷で理不尽でも――
ちゃんと分からせてやる。
もう安易で都合のいい結末なんか要らない。
――そして。
いよいよ、【第四幕】反撃の狼煙が上がる。
◇
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
引き続き、お付き合いいただけましたら幸いです。
◆◇◆




